備前焼人間国宝と生け花で魅了 県立美術館 走泥社展合わせ企画

斬新な備前焼と生け花が共演する協賛花展

 戦後日本の陶芸界をけん引した前衛陶芸集団・走泥社(そうでいしゃ)の軌跡をたどる特別展「走泥社再考」(山陽新聞社など主催)を開催中の岡山県立美術館(岡山市北区天神町)で1日、備前焼の重要無形文化財保持者(人間国宝)伊勢崎淳さん(88)=備前市伊部=と県内の華道4流派による「協賛花展」が始まった。24日まで。観覧無料。

 走泥社が、発足当初に前衛生け花と共演していた逸話を基に同美術館が企画。若い頃に走泥社の作品に刺激を受けたという伊勢崎さんが花器やオブジェ計4点を提供し、同館のエントランスで池坊(3日まで)、草月流(8~10日)、小原流(15~17日)、桑原専慶流(22~24日)がリレー形式で花を生けていく。

 トップバッターの池坊は、反りのある花器に真っ赤なナンテンの実とオレンジの枝を合わせて聖火を持つ女性を表現。木々をイメージさせるオブジェにはかれんなコチョウランやカスミソウをあしらい、訪れた人々を魅了していた。

 福冨幸学芸課長は「郷土が誇る人間国宝の世界と華道との相乗効果を楽しんでほしい」と話した。

 特別展「走泥社再考」は4月7日まで。月曜休館。

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