3月1日、2024年FIA F2第1戦サクヒールのスプリントレース(決勝レース1)が、バーレーン・インターナショナル・サーキットで行われ、8番手スタートのゼイン・マロニー(ロダン・モータースポーツ/ザウバー育成)がFIA F2キャリア初優勝を飾った。
6番手スタートの宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)は、一時18番手まで後退も、猛追を見せ9位でチェッカーを受けた。
第1戦決勝スプリントレースのグリッドは、2月29日に行われた予選トップ10のリバースグリッドで決定され、予選で10番手タイムを記録したジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル/アストンマーティン育成)がポールシッターとなった。
フロントロウ2番手にFIA F2新人のテイラー・バーナード(PHM AIXレーシング)、セカンドロウ3番手にビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)、4番手にエンツォ・フィッティパルディ(ファン・アメルスフォールト・レーシング)が続いた。3列目5番手にザク・オサリバン(ARTグランプリ/ウイリアムズ育成)、2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権とスーパーGT GT500でダブルタイトルを獲得した宮田が6番手で続いた。
直前の計測で気温19度、路面温度26度、タイヤ交換義務のない23周もしくは45分+1周のスプリントレースは、日本時間23時15分(現地時間17時15分)からのフォーメーションラップを経てスタートを迎えた。
6番手スタートの宮田はスタートで大きく出遅れターン1までに18番手まで後退。そんななか、ポールのクロフォードがトップをキープ、2番手にマルタンス、3番手オサリバンとARTグランプリ勢がポジションを上げる。
オープニングラップのターン4でラファエル・ヴィラゴメス(ファン・アメルスフォールト・レーシング)と接触したアムーリ・コルデール(ハイテック・パルスエイト)がマシンを止めたことで、2周目にバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入される。なお、ヴィラゴメスがタイヤパンクでピットに入ったこともあり、宮田は2周目のVSC導入時点で15番手となる。
3周目にVSC解除となると2番手マルタンスがクロフォードに積極的に仕掛ける。この周からDRS使用可能となると、ゼイン・マロニー(ロダン・モータースポーツ/ザウバー育成)がフィッティパルディ、オサリバンを攻略し3番手に浮上する。
序盤にもっとも勢いを見せたのはマロニーだった。4周目にファステストを記録すると、6周目のターン4でマルタンスをパスし2番手に浮上。さらにマロニーは8周目のターン5でクロフォードをパスしトップに浮上。プレシーズンテストで見せた好走をレースでも見せつける。
なお、7周目のターン4ではアイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)がフィッティパルディを攻略し4番手に浮上する。
9周目、宮田はファン・マヌエル・コレア(ダムス・ルーカスオイル)を攻略。また、グリッド位置を間違えて10秒のタイムペナルティが下ったフランコ・コラピント(MPモータースポーツ/ウイリアムズ育成)がペナルティ消化のためにピットインしたことで宮田は13番手に浮上。
さらに宮田は安定したペースとDRSの後押しもあり、11周目にバーナード、続けてリチャード・フェルシュフォー(トライデント)を攻略し、残り10周となった13周目には11番手に浮上する。
16周目、トップと遜色ないペースを維持し続ける宮田は、予選最速のガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング/マクラーレン育成)をパスし入賞目前の9番手に浮上する。そんななか、3番手のマルタンスはタイヤが限界か、コースオフもあり4番手に後退。変わってハジャルが3番手に浮上する。
例年タイヤに厳しいサクヒールだけに、17周目ごろから徐々にペースダウンする車両も。そんななか18周目のターン1でジョセップ・マリア・マルティ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)がマルタンスを易々とかわし4番手に浮上する。
18周目には3番手のハジャルが無線で「フロントタイヤが壊れた」とタイヤのデグラデーション(性能劣化)を訴える。後方ではフィッティパルディがピットに入るなど、各車のタイヤマネジメントの差がここであらわになる。
20周目、マルティがハジャルを攻略し3番手に浮上する。その後方では入賞争い白熱。6番手のマルタンスを先頭に中段勢が数珠繋ぎとなる。宮田は21周目のターン5でボルトレートにかわされ10番手に後退する。
しかし、タイヤが限界なのは全車同じ。混戦の中、宮田は22周目のターン4で一旦はオサリバンを攻略する。しかし、その直後にマルタンスに蓋をされるかたちで宮田は行き場を失い、オサリバンに再度先行される。ただ、宮田は22周目のターン11でマルタンスをパスし9番手の座を取り戻すが、宮田の猛追はここまで。
23周目を終えマロニーがトップのままチェッカーを受け、FIA F2参戦2年目にして初優勝を飾り、2024年シーズン最初のウイナーとなった。なお、マロニーはファステストラップポイントも獲得している。2位にクロフォード、3位にマルティが続いた。宮田は9位でチェッカーを受け、入賞こそ果たせなかったが好ペースやタイヤマネジメントで印象的な走りを見せた。
続く、フィーチャーレース(決勝レース2)は日本時間3月2日の19時30分から、タイヤ交換義務を有する周回数32周、もしくは60分+1周で争われる。5番手からスタートする宮田の戦いに引き続き注目したい。
■2024年FIA F2第1戦サクヒール スプリントレース正式結果
Pos. No. Driver Team Time/Gap
1 5 Z.マロニー ロダン・モータースポーツ 42’13.726
2 7 J.クロフォード ダムス・ルーカスオイル 5.490
3 21 J.マルティ カンポス・レーシング 7.057
4 20 I.ハジャル カンポス・レーシング 9.783
5 17 P.アーロン ハイテック・パルスエイト 18.188
6 10 G.ボルトレート インビクタ・レーシング 18.320
7 2 Z.オサリバン ARTグランプリ 20.135
8 11 D.ハウガー MPモータースポーツ 21.032
9 6 宮田莉朋 ロダン・モータースポーツ 21.490
10 22 R.フェルシュフォー トライデント 21.839
11 1 V.マルタンス ARTグランプリ 23.840
12 8 J.コレア ダムス・ルーカスオイル 26.833
13 9 K.マイニ インビクタ・レーシング 27.246
14 4 A.アントネッリ プレマ・レーシング 30.260
15 24 J.デュルクセン PHM AIXレーシング 35.257
16 3 O.ベアマン プレマ・レーシング 36.247
17 14 E.フィッティパルディ ファン・アメルスフォールト・レーシング 56.183
18 12 F.コラピント MPモータースポーツ 64.819
19 15 R.ヴィラゴメス ファン・アメルスフォールト・レーシング 91.558
– 23 R.スタネ トライデント DNF
– 25 T.バーナード PHM AIXレーシング DNF
– 16 A.コルデール ハイテック・パルスエイト DNF
・全体ファステストラップ:エンツォ・フィッティパルディ/1分45秒833(23/23)184.093km/h
・ファステストラップポイント対象:ゼイン・マロニー/1分46秒585(4/23)182.794km/h
・ペナルティ:
#15 ラファエル・ヴィラゴメス:10秒タイム加算/ #16 コルデールとの接触原因
投稿 ザウバー育成マロニーが初優勝。宮田莉朋はスタートで出遅れるも猛追見せる/FIA F2第1戦レース1 は autosport web に最初に表示されました。