英中銀の利下げ着手「まだ遠い」、インフレ低下の確証必要=ピル氏

[ロンドン 1日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は1日、英中銀の利下げ着手は「まだ遠い」との考えを示した。

ピル氏はカーディフ大学ビジネススクールで行った講演で「利下げに賛成票を投じる前に、消費者物価指数の上昇の根底にある要素が、2%のインフレ目標の持続可能な達成に見合う水準に低下しているという一段と説得力のある証拠を確認する必要がある」とし、「自分自身の基本シナリオでは、利下げはまだ先のことになる」と述べた。

その上で、利下げ開始後も金融政策は引き続き制約的になるとの考えを示したほか、インフレと短期インフレ期待の緩和に伴い実質金利は上昇すると指摘。「中銀金融政策委員会は、金利を設定する際にこの点を考慮しなければならない」と語った。

英中銀は2月1日の会合で、政策金利を約16年ぶりの高水準である5.25%に据え置くと決定。金融政策委員会9人のうち、ピル氏を含む6人が据え置きに賛成した。

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