米ISM製造業景気指数、2月は47.8 16カ月連続で50割れ

[ワシントン 1日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が1日発表した2月の製造業景気指数は47.8となり、1月の49.1から悪化した。50割れは16カ月連続となり、2000年8月─02年1月以来の長さとなった。2月はロイターがまとめた市場予想の49.5を下回った。

ただ、顧客在庫の3カ月連続での減少が示され、将来の新規受注や生産の伸びにプラスになるという。ウェルズ・ファーゴのエコノミスト、シャノン・グレイン氏は「製造業に明るい兆しが見えている」と述べた。

ISMによると、同指数が長期的に42.5を下回る状況は経済全体の縮小を意味する。従来は48.7を節目としていたのを改定した。

金利上昇による借り入れコストの増加は商品需要を冷え込ませ、企業の設備投資を圧迫している。ISMなどの景気指数は、米経済の10.3%を占める製造業に関して過度に悲惨なイメージを描いている。

22年3月以降に政策金利を計525ベーシスポイント(bp)引き上げ、現在は5.25―5.50%に設定している米連邦準備理事会(FRB)は年内に利下げを始めると予想されている。

先行指標となる新規受注指数は今年2月に49.2となり、1月の52.5から悪化。

2月の生産指数も48.4と、1月の50.4から悪化した。

一方、2月の供給業者の納入を示す指数は50.1と、1月の49.1から上昇。50を上回ると工場への納品が遅いことを示す。

ISM製造業景況調査委員会のティモシー・フィオーレ委員長は「2月は供給業者の対応が遅くなっているようだ。これは一部の供給業者が対応に苦戦していることを意味する」と述べた。

価格指数は1月の52.9から52.5へ低下し、モノのインフレが緩和したことを示した。

キャピタル・エコノミクスのアンドリュー・ハンター副チーフエコノミストは「米連邦準備理事会(FRB)にとってより重要なニュースは、財のインフレ率の大幅な回復が見込まれる兆候がまだ見られないことだ」と述べた。

雇用指数は45.9と1月の47.1から低下し昨年7月以来の低水準となった。

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