2016年の死体遺棄事件 容疑者の男、書類送検 兵庫県警が“代理処罰”求める 中国で無期懲役判決

兵庫県警本部(神戸市中央区)

2016年10月、兵庫県伊丹市の猪名川河川敷で、バラバラに切断された中国籍の男性(当時20)の遺体が見つかった事件で、兵庫県警・伊丹署捜査本部は1日、当時留学生だった中国籍の男(29)を殺人と死体損壊、死体遺棄容疑で書類送検した。

男は事件発覚後すぐに中国へ帰国、現地の公安当局に出頭して身柄を拘束された。その後、中国の司法当局は男を故意殺人などの罪(中国での刑法上の罪名)で起訴し、男は2022年5月に無期懲役の判決を受け、服役している。

警察庁によると、日本と中国の間には容疑者の引き渡しに関する条約がなく、日本側が外交ルートを通じて中国側に国外犯規定による処罰(代理処罰)を求めていた。
なお、男は日本の入管法の規定により、日本国内への入国はできない。また中国で服役していることから、検察は不起訴とする見込みで、一連の捜査は終結、捜査本部は1日に解散した。

兵庫県警による捜査や、中国の捜査当局から得た情報をもとにした男の容疑事実は、2016年9月22日、当時住んでいた大阪市阿倍野区のマンションの自室で、中国人留学生の知人男性(当時20)を果物ナイフで殺害。浴室で包丁を使って遺体を切断し、その後スーツケースに入れて伊丹市の猪名川河川敷に遺棄したとされ、容疑を認めているという。刃物は見つかっていない。

捜査関係者によると、2人の間で金銭トラブルがあったという。同年10月10日に、河川敷で性別不詳の両腕と両脚が見つかり、兵庫県警が死体遺棄事件として捜査していた。男は10月13日に関西国際空港から中国へ出国した。

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