「頭真っ白だったが…」36歳男性、心肺停止男性を必死に蘇生 後遺症なく元気に「本当に良かった」

心肺停止状態から回復した重野さん(左から2人目)は心臓マッサージや人工呼吸をした山川さん(同3人目)らと握手して感謝を伝えた=京都市東山区・京中月

 京都市東山区の飲食店で倒れ心肺停止となった男性に適切な救命活動をしたとして、客や店主ら計4人に東山消防署から感謝状が贈られた。回復した男性も贈呈式に出席、「皆さんは命の恩人」と感謝した。

 昨年11月20日、北区の会社員重野(じゅうの)偉昭(ひであき)さん(48)は昼食を取ろうと入った店で着席後、心筋梗塞で意識を失った。居合わせた兵庫県の会社員山川直樹さん(36)は救助隊が到着するまでの5分間、心臓マッサージと人工呼吸を繰り返した。

 店を営む加藤中謙(ちゅうけん)さん(72)と勢以子(せいこ)さん(67)夫妻は119番通報、重野さんの同僚、中野駿さん(38)は呼びかけや情報提供で救命に貢献した。

 現場となった飲食店「京中月(にくづき)」で2月27日に贈呈式があり、松苗春夫署長が感謝状を手渡した。勤務先の災害時救助班として救命講習を受けていた山川さんは「頭は真っ白だったが、体が心肺蘇生の動きを覚えていた。胸を強く押し続けていると、弱い呼吸と脈が戻った。命が助かって本当に良かった」と話した。

 重野さんは手術やリハビリを経て2月に後遺症なく職場復帰した。家族とともに「生きている喜びをかみしめて頑張ります。本当にありがとうございました」と4人に伝えた。

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