‟監督“伊藤美誠の功績に中国メディアから賛辞止まず! 世界卓球での振る舞いを「コーチとして絶大な落ち着きと集中力を見せた」と高評価

今なお、その存在には称賛の声が送られている。

先月25日まで韓国・釜山で熱戦が繰り広げられた世界卓球選手権で準優勝という結果を残した日本女子代表は、決勝で中国代表をあと一歩まで追い詰めた。今夏のパリ五輪代表にも選出されている張本美和、早田ひな、平野美宇の3選手がそれぞれ実力を発揮し、世界ランクトップ3を揃える王者・中国とまさに、歴史に残る激闘を演じた。

そして日本チームにおいて、コートに立つ選手と同様に注目を集めていたのが伊藤美誠だ。準決勝以降はメンバー外となり出番は無かったものの、大会を通じて「監督」「コーチ」などと呼ばれるなどサポート役に徹し、チームメイトとコミュニケーションをとる様子が話題となった。

また、大会終了となった現在も、大舞台での伊藤の振る舞いを称える声が鳴り止まない。決勝で日本を退け大会6連覇を飾った中国の国内メディア『捜狐』も伊藤の役割を高く評価している。

3月1日の特集記事の中で、中国に肉薄した日本の戦いを振り返りながら「これは、伊藤美誠の指導とサポートなしにはあり得なかった」と綴っており、「伊藤のコート内外での活躍も衝撃的だった。コート外のコーチとして、彼女は絶大な落ち着きと集中力を見せた」と称えている。

さらに「平野美宇が勝利したとき、彼女はチームメイトと抱き合って祝福し、一体感と自信を示した」と決勝での様子を伝えながら「挫折に直面しても笑顔を絶やさず、偉大なアスリートが持つべき優雅さと心を示した」と賛辞を並べた。その上で、「伊藤の指導とサポートがあったからこそ、チームメイトは大事な場面で冷静さと自信を保ち、素晴らしい結果を残すことができたのだ」と貢献度の高さを強調している。

同メディアは「日本チームは優勝を逃したが、伊藤の卓越したパフォーマンスとチームメイトへのサポートは忘れられないものとなった。日本を代表する卓球選手として、伊藤はコートの内外で優れた資質と態度を示し、日本卓球界に輝きを添えた」と大会を通じての存在感を評している。

今年1月の全日本選手権では五輪出場枠を逃し、悔し涙もみせながらも、世界選手権では日本代表の一員としてさまざまな役割でチームを力強く後押しした。これまで残してきた高い実績とともに、改めて伊藤の選手としての偉大さが示された大会となった。

構成●THE DIGEST編集部

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