「十分な性教育受けられるかは運次第」 専門家が学校の限界を指摘「時々の管理職で内容変わる」

絵本を用いながら子どもに性交について伝えた経験を話す大石さん(滋賀県守山市・市立図書館)

 「子どもたちに伝えたくなる『性』と『生』のおはなし」と題した講演会が2月25日、滋賀県守山市の市立図書館であり、参加者らが日本の性教育の現状と家庭で教える利点を学んだ。

 保健師で性教育講師の大石真那さん=兵庫県明石市=が講師を務めた。大石さんは現代の性を取り巻く環境について「インターネットやスマートフォンの普及で昔に比べて性に関する情報があふれている」と強調。一方で日本では性交や避妊、中絶は義務教育で扱われず、外部講師による性教育講演についても「同じ学校・学年、同じ講師でもその時々の管理職の理解で内容が変わってくる。十分な性教育が受けられるかどうかは運次第だ」とし、学校での性教育に限界があることを説明した。

 家庭での性教育は、成長に応じて何歳からでも何度でも伝えられる利点を紹介し「子どもからの質問にいつでも対応できるよう準備し、何でも聞けるような雰囲気作りを心掛けて」と呼びかけた。

 小学校の保護者でつくるサークル「包括的性教育をまなび隊!レインボー」が開催。約30人が参加した。

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