信念持って高田川部屋へ入門 壮行会で感謝のメッセージと抱負 「横綱目指す」/岡山・真庭市

落合中学校の3年・成田憲史君(15)が大相撲の高田川部屋(東京都、高田川勝巳親方=元関脇安芸乃島)への入門が決まり27日、同校(岡山県真庭市下方)で壮行会が開かれ、同級生や下級生からの祝福を受けながら各界へと旅だった。真庭市出身の現役力士は真庭山、祥乃山兄弟に続き3人目になる。「体格を生かして親方のようなパワーのある力士を目指したい」と意気込みを語った。

成田さんは身長173センチ、体重107キロ。学校では卓球部に所属する一方で、相撲では同市勝山の教室に通い、体を鍛え上げてきた。本年度は県総合体育大会(県総体)で個人戦ベスト8入りし、主将を務めた団体戦は3位に入賞した。

中学2年生の時、学校の授業で相撲を学んで興味を持ち、2022年真庭市中体連主催の新人戦に出場して白星を飾る。県秋季総体の団体戦では、主将として同校を21年ぶりの優勝へと導く活躍を見せた。これを機に力をつけようと、教室に通い始めて稽古に励む中、昨年の夏ごろに訪ねて来た当時の大相撲・立行司41代式守伊之助さんこと、現38代木村庄之助さん(本名・今岡英樹、高田川所属)=遷喬小学校出身=の目に止まった。

知らない世界に対して不安もあった成田君。しかし、相撲部屋に体験入門した際に、現場の明るい雰囲気と力士たちの優しさにふれ、「楽しさとやりがいを感じて頑張れると思った」と角界入りを決断。「故郷が同じ真庭山、祥乃山がいるのも心強い。2人の背中を見ながら成長していきたい」と話す。

式には、高田川親方や成田君の両親、教員、1〜3年の生徒322人が出席。成田君は「たくさん思い出ができ、楽しい学校生活を送れたことをみなさんに感謝したい。幕内、横綱になれるように励む」と決意を表明した。

浅野秀朋校長は「故郷を後にして各界へ飛び込み決意は並大抵ではない。その信念に敬意を表す」と激励。続く2年の道下結月生徒会長と圡井詩乃同副会長が「真面目で責任感があり、優しくてみんなから愛されていた成田さんを全力で応援していく」と述べ、全校を代表して手紙と花束を贈呈した。

最後に成田君は生徒たちが作った花道を通り、母校を後にした。父親の誠さん(49)は「5人兄弟の長男として弟、妹の面倒を見てくれた優しい子。勝負の世界は厳しいが頑張ってほしい」と語っていた。

花道を通る成田君

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