古布を活用した趣深い作品150点以上 日本の伝統美が華やかに演出 3月10日まで/岡山・真庭市

兵庫県姫路市のパッチワーク作家・樫木和子さん(80)の個展「古布万象展」が岡山県真庭市勝山の文化往来館ひしおで開かれている。上質な古布を活用した趣深い作品が訪れた人の目を楽しませている。10日まで。

「勝山のお雛まつり」(1~5日)に合わせた同館の企画展。40年間の活動の中で制作してきた秀作のほか、愛らしい人形や小物など150点以上を展示している。会場には、更紗や藍染め、型染といったさまざまな布地や華やかな衣装の柄を取り入れた作品がずらり。

二十四節気をテーマにした計12作の連作は、色とりどり布を切って張り合わせ、四季折々の行事や自然の風景、動植物を表現している。このほか、雛人形や着物をかたどったタペストリー、和菓子を模した立体的な置物など日本の伝統的な美を追求した意欲作の数々に、訪れた人たちが見入っていた。

岡山市から訪れた犬飼葉子さん(80)は「繊細で丁寧な技術がうかがえる。『質のいい布は古くなっても美しさは変わらない』と聞いていたが実感できた。どの作品も見応えがある」と話していた。

華やかな布柄を生かしたタペストリー

© 津山朝日新聞社