「休みの日も枕元に会社用携帯を」と上司からの指示。隠れ残業を常態化させないためにすべきことは?

隠れ残業の実態

株式会社オロの【Z世代の「残業時間」に関する実態調査2023第2弾】によると、Z世代の方々が1ヶ月間残業なしと答えた割合は「14.5%」のみとのことです。

一方、残業ありと答えた方のなかで、サービス残業や持ち帰り残業など、いわゆる「隠れ残業」をしている割合は「42.2%」いることが分かりました。詳しい結果は、以下の通りです。

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・かなりしている(7.8%)
・少ししている(17.1%)
・ほとんどしていない(17.3%)
・していない(54.2%)
・わからない(3.5%)
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隠れ残業に関しては、会社が把握していないことが多く、賃金が支払われていないケースもあるようです。

「休みの日も枕元に会社用携帯を」と上司に言われて家で仕事をした場合に、その時間が残業としてカウントされなければ、隠れ残業となってしまう可能性もあるでしょう。

隠れ残業が発生する原因として考えられること

現在の日本の企業文化では、定時時刻で仕事を切り上げてしまう人よりも、残業を当たり前と捉えて、労働時間が長いほうが「真面目に頑張っている」と評価される風習があるようです。

単に「業務量が多い」「多忙である」などの理由以外にも、このような風習から、従業員が自主的に隠れ残業をしてしまう傾向があるといえます。ほかには「残業時間を報告しにくい」「会社側が正しく認識してくれない」などの問題も、隠れ残業につながるかもしれません。

隠れ残業を常態化させないための対策

隠れ残業を常態化させないためには、効率よく仕事を回して、プライベートと仕事をしっかり切り分ける必要があります。そのためには具体的にどのような対策を立てることが有効なのかを、それぞれ解説します。

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・残業時間の可視化
・業務プロセスの見直し
・コミュニケーションの促進
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まずは、残業を「隠れ残業」にしないことがポイントです。普通に仕事をしていても、勤務時間内に終わらずに残業する場面は多くあるでしょう。残業の必要がある場合には、会社に報告して、正しく残業時間として認識してもらうことが大切です。

また、毎日残業が発生するといった状況は、ほかに原因が考えられる可能性もあります。この場合には、スムーズに業務が進められれば残業は発生しないようになっているのかなど、業務プロセスや業務内容の見直しが必要でしょう。

さらに、円滑に仕事を進めるには、上司や同僚とコミュニケーションを取り、協力し合うことが大事です。何よりコミュニケーションの促進は、従業員のモチベーションアップにもつながり、働きやすい環境づくりにも効果的でしょう。

労働環境や意識の改善で隠れ残業を防ごう

働き方改革によって労働時間が短くなっているなかで、隠れ残業を防ぐには、個人や会社側の意識を改めて、労働環境を改善することが大切です。

まずは会社内で隠れ残業の実態を把握して、原因に合った対策を立てる必要があります。上司から隠れ残業を指示されたときには、きちんと断れるような環境づくりもポイントになります。

出典

株式会社オロ ZAC 「過少/過大申告」「隠れ残業」の割合が増加【Z世代の「残業時間」に関する実態調査2023 第2弾】「隠れ残業」や「勤務時間の過少・過大申告」が起きやすい職場の特徴とは?
厚生労働省 労働時間制度の現状等について 2.労働時間等の現状 年間総実労働時間の推移(年度)(15ページ)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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