イヤイヤ期の息子に余裕がなくなっていた私 そんなとき、亡くなった父の言葉に「感謝しかありません」

子どもの自我が芽生える頃、自己主張が激しくなる「イヤイヤ期」。一般的には2歳前後から始まるといわれています。

今回紹介するのは「イヤイヤ期に助けてもらったこと」についてのエピソードです。

イラスト:23ca

2歳のイヤイヤ期

ナツミ(仮名)さんの息子のアキト(仮名)くんが、2歳のイヤイヤ期が始まった頃のことです。ご飯もオムツ替えも寝るのも、すべてが「イヤ」だったアキトくん。何もかもが「イヤイヤ!」となるアキトくんに、ナツミさんも毎日「イヤイヤ!」となってしまっていました。

イヤイヤ期のアキトくんに、成長を感じる余裕さえなくなり始めた頃、実家から「アキトに会いたい」という連絡がきました。

実家に行くとニコニコしながらナツミさんのお父さん、そしてアキトくんにとってはおじいちゃんが迎えてくれました。「じぃと散歩行くか?」とアキトくんにおじいちゃんが聞いたところ、アキトくんは「イヤ!」と一言。ナツミさんが「また始まったよ」と思っていると、おじいちゃんは「イヤかぁ。なにが好きや?車か?じゃドライブ行こ!」とたくさんの提案をしてくれました。そしてその日はおじいちゃんと2人で仲良くドライブに行き、ニコニコのアキトくんでした。

次にまた実家に行くと「おー!きたかー。今日は何する?」と、またおじいちゃんが遊んでくれることに。日中2人でいると、イヤイヤ期の子育ての大変さしか感じなかったナツミさんでしたが、おじいちゃんと遊ぶアキトくんを少し離れたところでみると、成長した姿やかわいいらしさを改めて感じることができました。

『イヤイヤ期に助けてもらったこと②』イラスト:23ca

「じぃと風呂入ろう!」「じぃとご飯食べよ!」と、ナツミさんとやるのはイヤイヤなアキトくんも、おじいちゃんとならご飯もお風呂もスムーズにいくように。ナツミさんは「じぃじは私のヒーローでもあり、息子のヒーロー」と感じたそうです。

イヤイヤ期の向き合い方

このときの出来事について、ナツミさんに話を聞きました。

ー助けてもらったとき、お父さんに対してどう思いましたか?また、なんと伝えましたか?
父には感謝しかありません。旅行や散歩、たくさんの経験を息子にさせてくれました。働く車が好きな息子に、田んぼにあるトラクターに乗せてくれたり、高速道路を作っているところまでドライブに行ってくれたりしました。息子に寄り添い、たくさんの経験をさせる大切さを改めて感じさせてもらいました。しかし、たくさん寄り添ってくれた父は急に亡くなってしまいました。息子はなぜお空に行ったのかと毎日聞きます。今でも「じぃじ半分こ!」とお菓子を仏壇に置いて分け合っています。こんな優しい息子に育ったのは父のおかげです。 ありがとう。

ーお父さんとはその後何か会話をしましたか?
父に「甘やかしすぎたらあかんで!」と言ったことがあります。そのとき父は 「甘やかしてるんちゃうんやで?この子が気持ちを伝えてくれてるんやから全力でサポートしてるだけ!」と ニコニコと答えてくれたことがありました。なんだかそのことは忘れられません。

ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
息子の気持ちを汲み取り、言葉にして息子に伝えています。嫌だったじゃなく、 なぜ嫌だったか理由を代弁して伝えることを気をつけています。

ーこのような経験と同様、子育てをしていて大変な時はどんな時ですか?
イヤイヤ期のトイレトレーニングは大変でした。トイレ行くのもイヤ!オムツすら替えさせてくれませんでした。ですがいつの間にか「パンツはく!」「トイレ行く!」と自分から教えてくれるようになりました。彼のペースなので他の子たちよりも遅いスタートでしたが、なんとかオムツを卒業しました。何のきっかけなのか不思議ですが、彼がしたい!と思う気持ちになるまで待っていてよかったです。

ー子どもと一緒にいて困ったとき、周りにどういった対応をしてもらえると嬉しいと思いますか?
イヤイヤとスーパーでも泣きますが 、そっとしておいてほしいです。たまにあらあらと声をかけてくれる方がいますが 、それはそれでプレッシャーがかかります。そーっと大変だなと心の中で思っていてくれるとうれしいです。

ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
イヤイヤ期は母も1番イヤイヤと思う時期です。でも父も「今だけやで?子どもはあっちゅうまに大きくなる!ハグできるうちはなんでも一緒に楽しめ!イヤイヤと一緒に言うたらええんや!」と教えてくれました。一緒に乗り越えましょう。まだまだ先は長いです! いつのまにかイヤイヤと言わない日が来ますから!大丈夫!

あまりにも子どもに「イヤイヤ」と言われ続けると、さすがにまいってしまうこともあるでしょう。しかし、終わりはくると思って、子どもと楽しむ気持ちでいることも大切なのですね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

ほ・とせなNEWS編集部

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