予約して自宅近くで乗降可能に 4月から中辺路・大塔地域の住民バス、和歌山・田辺市

和歌山県田辺市中辺路町内を運行している住民バス

 高齢者らの交通手段の確保が課題となる中、和歌山県田辺市は4月1日から、市が運行する「住民バス」の在り方を一部見直す。中辺路地域と大塔地域で、路線にとらわれず予約に応じてエリア内を走行する形態を導入。自宅近くで乗り降りできるようにすることで、利便性の向上を図る。

 住民バスは、路線バスが撤退するなどした「空白地」で住民の移動手段を確保することを目的に、市が旧4町村で運行している。

 今回運行を見直すのは、中辺路地域と大塔地域。いずれも現在は、決まった時間にバス停留所で乗車し、定められたルートを走っている。

 4月以降は、既存のルートにとらわれず、予約に応じてエリア内を運行。第1便から第5便(大塔は第4便)まで大きく区切った時間帯の中で、希望の時間に乗降できる。

 例えば中辺路地域の第1便の運行時間は午前6時~8時と設定しており、この時間帯に乗車を希望する時刻や目的地などを予約時に伝えればよい。運行事業者は予約状況を確認した上で、配車時間を知らせる。運行するのは月曜から金曜まで。

 また、バス停留所ではなく、自宅近くで乗り降りすることも可能になる。利用の1週間前までに利用者登録が必要。ただし、登録できるエリアは、現在の住民バスの沿線地域に限られる。

 利用料金は、1人1回につき200円。利用登録および乗車予約は、運行業務委託先で受け付ける。中辺路地域はヒトミ観光バス中辺路営業所(0739.64.1150)、大塔地域は谷口自動車(0739.48.8138)へ。詳細は市のホームページで確認できる。

 なお、市街地の学校に通う高校生の帰宅時間帯に運行している中辺路地域の「栗栖川・近露線」については、運行形態の変更はない。

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