新たに山林を取得、自然を未来へ ナショナルトラスト先駆けの「天神崎」、和歌山・田辺

天神崎の自然を大切にする会が、保全のため新たに取得した山林(和歌山県田辺市目良で)

 和歌山県田辺市の公益財団法人「天神崎の自然を大切にする会」はこのほど、天神崎付近の山林4465平方メートルを取得した。1月にも山林4154平方メートルを取得しており、今年に入って2件目。

 同会は、貴重な自然を後世に引き継ごうと、天神崎の土地を寄付金で買い取り、保全に努めている。今回取得した場所は、目良漁港近くの同市目良の山林で、市内の個人所有者から買い取った。費用は諸経費を含めて166万3千円。

 今回の取得によって天神崎地域で、大切にする会が所有する土地は約7.7ヘクタールになった。田辺市や日本自然保護協会が所有する土地と合わせた保全面積は計約10ヘクタール。保全目標面積の約54%となっている。同会の土地買い取りのための寄付金の積み立ては現在約6900万円という。

 大切にする会の土永知子代表理事(64)は「天神崎や元島、漁港周辺の自然をそのまま保全するためには重要な場所。岩陰遺跡もあり文化的にも大事な場所なので、今回、取得できたことは大変うれしい」と話している。

 会では寄付を受け付けているほか、運営を主に会費で賄っているため、会員も募っている。問い合わせは、天神崎の自然を大切にする会(0739.25.5353)へ。

新たに取得した土地

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