春の風物詩 「勝山のお雛まつり」 約1キロの町並み保存地区が華やかなストリートに/岡山・真庭市 

第26回「勝山のお雛まつり」(同まつり実行委主催)が1日、岡山県真庭市勝山の町並み保存地区を中心に始まった。約1キロの通りの民家や商家などで愛らしい雛人形が飾られ、訪れた人の目を楽しませている。5日まで。

同地区内約130軒の軒先や室内に、江戸時代から代々受け継がれた古雛や豪華な段飾り、個性的な創作雛などが並び、観光客たちは情緒あふれる街なみを散策しながら写真に収め、めでるなどしている。

牧野石材店(同)では、牧野博子さん(56)が義母・茂子さん(故)から引き継いだコレクション約50体を展示。明治初期の親王飾りを中心に数体の人形と季節の花などが添えられ、絢爛(けんらん)な雰囲気を醸し出している。土産店・やあとうせ喜志家が管理する民家では、江戸時代後期の大型の古今雛がお披露目。女雛の着物には唐獅子の刺しゅうが施されるなど、当時の職人の洗練された技術がうかがえる。

同市栗原から訪れた安藤由美子さん(33)は「こんなにたくさんの雛人形をみるのは初めて。どれも華やかで美しく見ていて楽しい」と話していた。また、通りでは1746年に三河国(愛知県)から勝山に伝わったとされるいがまんじゅう「おいが」などが販売され、好評を博していた。

同まつりは、大分県の雛人形作家・藤原了児さんの提案から始まり、現在は各地から多くの人が訪れる春の風物詩となっている。昨年は5日間で約1万3800人が来場した。

江戸時代後期の古今雛=やあとうせ喜志家の隣家で

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