民主党、政権維持へ女性票に照準 大統領夫人が遊説、権利擁護訴え

1日、米南部ジョージア州アトランタで支持者を前に話すバイデン大統領の妻ジルさん(Jason Getz/Atlanta Journal-Constitution提供、AP=共同)

 【ワシントン共同】11月の米大統領選で政権維持を狙う民主党は1日、女性票に照準を合わせた活動を本格化させた。バイデン大統領の妻ジルさんが各州遊説を開始。南部ジョージア州アトランタの集会で、共和党候補指名の獲得が有力なトランプ前大統領が返り咲けば、人工妊娠中絶の権利が守られなくなると訴えた。

 ジルさんは、3日まで西部のアリゾナとネバダ、中西部ウィスコンシンの各州を訪問する。いずれも大統領選の結果を左右する激戦州。女性票を結集し、高齢不安を抱えて支持率が伸び悩む81歳のバイデン氏を支えたい考えだ。

 トランプ前政権で保守化が進んだ連邦最高裁が2022年に中絶の権利を否定したことで、中絶問題が争点化。ジルさんは、トランプ氏が不当に女性の権利を制限しようとしていると語り「彼を勝たせてはいけない」と強調した。

 AP通信によると、20年の前回大統領選で女性の55%がバイデン氏に投票し、勝利を後押しした。

 トランプ氏の妻メラニアさんは、公の場に姿を見せることはほぼなく、選挙戦から距離を置いている。

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