埼玉の公立高入試、3万5044人が合格 抱きしめ喜び爆発、涙ぬぐう母 募集定員に満たなかった高校は68校、2244人の欠員 今後の日程は

掲示板で合格を確認する受験生や保護者ら=1日、春日部市

 埼玉県内公立高校の全日制131校と定時制24校が1日、2024年度の合格者を一斉に発表した。計4万173人の受験生に対し、3万5044人が合格した。

 全日制は3万9004人が受験し、3万3935人(前年度比663人減)が合格。定時制は1169人の受験生に対し1109人(同33人増)が合格した。14~21日に、受験した学校で入試の点数を確認できる。

 合格者が募集定員に満たなかった高校は前年同時期から1校減り68校で、2244人(前年同時期比253人減)の欠員が出た。全日制は48校1291人、定時制は23校953人。欠員補充の実施校、募集人数は6日に公開される。出願手続きは8日以降、学力検査などは18日以降に実施し、内容や日程は学校ごとに異なる。

■合格の掲示板に笑顔「努力実った」

 県内公立高校入試の合格発表が1日、各校で行われた。午前9時にインターネットに、午前10時に各校の掲示板などに張り出された。県立春日部女子高校では2カ所に合格者の受験番号が掲示され、自分の番号を見つけた受験生らが家族や友人と喜び合った。

 ネットを見なかったさいたま市立城南中学校の豊田あいさん(15)は掲示板を見て喜びを爆発させた。入学書類を手に誇らしげに家族の元に戻り、「コロナ禍で中学校は制限が多かったので、高校ではやりたいことに存分に取り組みたい」と笑顔。姉のみなみさん(28)は「努力が報われておめでとう」と6人きょうだいの末っ子を抱き締め、すみれさん(25)は「絶対受かると思っていた」とサプライズで花束をプレゼントした。緊張で眠れない夜を過ごした母の順子さん(54)は「ほっとした」と赤い目元をぬぐった。

 一方、越谷市立東中学校の工藤茉楓(まなか)さん(15)と久保木美空(みう)さん(15)はそれぞれネットで合格を確認してから来校。互いの合格を知らない状態での連絡は「ドキドキした」と顔を見合わせ、工藤さんは「文化祭が楽しくて志望した学校に合格できてうれしい」と喜び、久保木さんは「夏も冬もずっと塾で、勉強が大変でした」と振り返った。

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