【MLB】前田健太“大きく動く”新兵器スイーパーに手応え 地元メディアも「フィリーズ打線を圧倒した」と称賛

タイガースは1日(日本時間2日)、米フロリダ州レイクランドでフィリーズとのオープン戦に臨み、前田健太投手がオープン戦初登板。先発としてマウンドに立ち、2回を2安打1失点(自責点0)、2三振1死球という内容だった。勝敗は付かず、チームは4-2で勝利した。MLB公式サイトや米地元紙などが伝えている。

◆【実際の映像】前田健太、タイガース移籍後初登板で好投!2回1失点(自責0)2奪三振で上々のスタート

■フォーシームに不満「調整していく」

前田は初回、1番ヨハン・ロハス外野手をスライダーで空振り三振に仕留めると、続くブライソン・ストット内野手をスライダーで一塁ゴロ、さらにエドムンド・ソサ内野手もスライダーで空振り三振に切って取り、上々の立ち上がり。

2回は先頭アラミス・ガルシア捕手に左翼線二塁打を許すと、死球と味方失策などで二死一、三塁のピンチを招き、投前内野安打で1失点(自責0)となった。

この日は2回でお役御免。打者9人に対して30球を投じ、そのうちストライクが19球だった。

オープン戦初登板を終えた前田は「良いスタートが切れた。まだ取り組むべきことはあるが、最初の登板としてはうまくいったと思う。今日に関してはフォーシームの感覚があまり良くなかった。次の試合に向けて調整していく」と振り返り、平均89.3マイル(約144キロ)、最速90.1マイル(約145キロ)に終わったストレートの修正を課題に挙げた。

ただ、チームを率いるA.J.ヒンチ監督は「彼の場合、球速はあまり気にする必要はない。どのベテランもシーズンが近づくにつれて調子を上げていくが、球速はケンタにとって最初にチェックするべき項目ではない」とコメント。球速がレギュラーシーズンの平均より遅かったことについて不安はないとした。

その上で「私はケンタのストライク先行の投球が好き。それが大きなポイントだと思う。彼はとてもクリエイティブな投球をするし、投球というものをよく知っている」と話し、全幅の信頼を寄せた。

■開幕投手は5年目左腕スクーバルに譲る

前田はこの日30球を投じたが、内訳はスライダー14球、フォーシーム7球、シンカー4球、スプリッター4球、カーブ1球で、特に目を引いたのがスライダー。これまで投げてきたスライダーに加え、さらに大きく曲がるスイーパーを試投。地元メディア『デトロイト・フリー・プレス』も「スイーパータイプとノーマルタイプ、2つのスライダーでフィリーズ打線を圧倒した」と指摘した。

スイーパーについて問われた前田は「それは秘密」と笑いつつ、「(普通の)スライダーよりもっと曲がる。大きな動きになる」と回答。握りを変え、これまでのスライダーより変化の大きいスイーパーを取り入れ、新兵器として準備していることを明かした。

今後については「もっと多くの試合に投げ、もっと多くのイニングを投げること。今はそれをやる時期」と話した前田。調整スピードを上げて行くことになりそうだ。

なお、前田は開幕投手候補の1人だったが、A.J.ヒンチ監督はこの日、メジャー5年目の左腕タリック・スクーバルを開幕投手に指名した。

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文●SPREAD編集部

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