【川崎】4-5の乱打戦で磐田に敗戦。鬼木達監督らに訊いた開幕5試合で12失点と守備が大乱調の理由

[J1第2節]川崎 4-5 磐田/3月1日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

リーグでのホーム開幕戦として磐田を迎えた一戦、ここ数戦と同様に立ち上がりがピリッとしない川崎は6分に植村洋斗に先制点を奪われると、29分までに3失点。

磐田のFWジャーメイン良に4ゴールを許すなど、エリソン、マルシーニョの活躍で追いすがるも、4-5で敗戦を喫した。

ACLのラウンド16、富士フイルムスーパーカップを含めると、今季のここまでの5試合で12失点。守備が大きく乱れていると言える。

特に磐田戦で心配になったのは鬼木監督の下で何より意識してきたはずの寄せや球際の勝負で後手を踏んだこと。それを指揮官に試合後、訊ねれば、こう返ってくる。

「ひとつは意識のところだと思います。守備になると受けに回りすぎかなというところはあります。抜かれても良いというわけではないですが、それでも奪いにいくだとか距離の問題ですね。近くのところにもっと寄せるだとか、シンプルですが、そこのコンパクトさがなかったり、自分の背中に走られるとそのまま見れなくなってしまったりと、そういうのは多々ありました。

やらなくちゃいけないことは多いですね。ただ攻撃のところから始まっているとも思います。そういうところのミスからの失点もあるので、どれだけ自信を持ってピッチに立つか、まずは順番はそこかなと。少しでも弱気なところがあれば、攻撃でもミスが出ますし、逆に守備のラインはより深くなっちゃいますよね。相手の攻撃がより自分たちのゴール前になっている。そこは強気にやらなくちゃいけない部分だと思います。そして強気にやるにはボールに寄せないと出ていけないので、そこのところは一人ひとりが怖がらずにやらなくちゃいけないですし、それを自分がやらせたいと思います。

ただそこにはあまり、修正はしますが、引っ張られ過ぎて自分たちの良さをなくすことはしたくないですし、両方を追いたいと思います。結局どちらか片方はどのチームもできると思います。攻撃だけとか守備だけとか。両方できるからチャンピオンになれるわけで、両方をやらなくちゃいけないと思っています」

【動画】点の取り合いとなった川崎×磐田のハイライト!!

磐田戦でも19歳の高井幸大と26歳の大南拓磨がCBのコンビを組み、24歳の佐々木旭が右SB、23歳の三浦颯太が左SBを務めるなど、今オフでの選手の入れ替わりや怪我人もあってフレッシュなメンバーが最終ラインを支えている。

そのなかで佐々木は「寄せるところだとか、シュートを打たせないとこはもちろんなんですが、試合の入りでの失点が続いているので、集中しようと声をかけ合っていたのですが。そこでも失点してしまい、上手く切り替えられなかった部分もあります」と悔しがった。

ミスが重なり、失点が続くとどうしても最終ラインは後ろに重くなってしまう。

すると中盤との距離が空いてしまい後手を踏む。この日も相手の縦パスを簡単に通されてしまい、ゴールにつなげられてしまうシーンが見られた。

一方で攻撃面では4点を奪えている事実もある。鬼木監督も話す通り、川崎はどうやってゴールを奪うかをまず考えるチーム。そうした前向きな意識が良い守備にもつながる。

まずは原点に立ち戻りながら、守備の約束事を徹底し、フレッシュな最終ラインを含めてチームとしてどう成長していくか。強力な攻撃陣を生かすためにも、チーム全体で考える必要がありそうだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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