「お前はバカだ!」世界5位ルブレフが線審に暴言!ロシア語のわかる職員が大会責任者に報告し失格処分に<SMASH>

アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイで行なわれた国際大会でアンドレイ・ルブレフ(ロシア/世界ランク5位)が線審に暴言を吐き、失格処分を受けるというまさかの事態が発生した。

現地3月1日、男子テニスツアー「ドバイ・デューティフリー選手権」(2月26日~3月2日/UAE・ドバイ/ハードコート/ATP500)のシングルス準決勝が行なわれ、第2シードのルブレフは、第7シードのアレクサンダー・バブリク(カザフスタン/同23位)と対戦。6-7(4)、7-6(5)、5-6の時点で失格となった。

一昨年大会では優勝、昨年は準優勝を果たしているルブレフ。今大会も好調ぶりを発揮し準決勝まで駒を進めていた。この日のバブリクとの試合は、第1セットをタイブレークの末に落としたが、第2セットではタイブレークを奪い返す白熱の展開に。勝負の行方はファイナルセットへと持ち込む。

しかし、事件は5-5で迎えたバブリクのサービスゲーム、40-30の場面で起きた。

バブリクの打った深いボールがイン判定となりラリーが続くと、そのままポイントを獲得しサービスゲームをキープ。この重要なポイントを落としたルブレフは、ボールはアウトだったと主張した。

今大会は自動線審(イン、アウトを機械が自動判定)を採用していないが、選手はビデオ判定する「チャレンジシステム」を利用して判定を覆せる。ルブレフはこの場面でポイントを中断してチャレンジを利用することもできたが、ラリーを続ける判断を下した。
この判定に納得がいかないルブレフは、感情のコントロールを失い、線審のすぐそばまで詰め寄って怒鳴りつけたのだ。

すると、チェンジエンド(奇数ゲーム後のコートエンド交替時)の際にしばらくして、スーパーバイザー(大会責任者)がコートに現れ、ルブレフに話しかけた。線審に向かって放った言葉を近くで聞いていたのは、ロシア語が話せるATP(男子プロテニス協会)職員だったという。

スーパーバイザーに「あなたは線審にロシア語で『お前はバカだ!』と暴言を吐いたでしょう」と言われたルブレフは、「そんなことは言っていない。ロシア語で話してもいない」と反論。

ルブレフは抗議を続けたが、最終的にスーパーバイザーからスポーツマンシップに反するものとして、失格処分が言い渡されたのである。

この結果ロシアの名手は、ペナルティとしてこの大会で獲得したポイント(200ポイント)と賞金157,755ドル(約2370万円)を全て失い、大会後に更新される世界ランキングもトップ5から脱落することとなった。

なお、2時間26分の熱戦を演じたバブリクは決勝へ進出。現地3月2日に行なわれる頂上決戦では、昨年大会覇者のダニール・メドベージェフ(ロシア/同4位)に勝利を収めたユーゴ・アンベール(フランス/同18位)と対戦が決まった。

構成●スマッシュ編集部

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