個性派凸凹コンビ・鬼ぷりん「『深夜のハチミツ』の出演時間は8秒でした」

恋愛リアリティショーへの出演やSNSを中心にアニメのキャラクターのモノマネが話題となった大石、“推し事”でライブにも出演しているピッピ大谷。現在、それぞれの趣味や特技を活かして個人でも活躍している鬼ぷりんだが、二人はバラエティ番組への憧れを抱いて、この世界に入ったという。ニュースクランチのインタビューでは、鬼ぷりんとしての今後の目標や、二人が現在の活躍に至るまでの道のりを聞いた。

▲鬼ぷりん(大石 / ピッピ大谷)【WANI BOOKS-“NewsCrunch”-Interview】

弟に負けちゃってアイドルは諦めました

――まずは芸人を目指した理由から教えてください。

ピッピ大谷(以下、ピッピ) 僕は小学生の頃からめっちゃテレビを見ていた“テレビっ子”だったので、“テレビの中の人たちに会いたいな”と思ったのが始まりです。だから、最初は俳優とかもいいなと思ったんですけど、小学校の先生に「芸人がいいよ」って言われたので、芸人を目指すようになりました。

――その先生はなぜ芸人を勧めたんですかね。

ピッピ 僕、テストとかで解答欄がズレちゃっているとかで、よく間違えてたです。そういうアホっぽいキャラだったので、俳優とかは向いてないって判断したんじゃないですかね。

大石 昔の大阪みたいだな(笑)。

ピッピ 親の影響で子どもの頃からジャニーズ(現SMILE-UP)も好きだったので、アイドルも選択肢にあったんです。ある日、親が「僕と弟のどっちかの履歴書をジャニーズ事務所に送ります」って言い出して、最終的に弟の履歴書を送ったんです。僕は負けちゃったので、そこでアイドルは諦めました……。

――さまざまな道が絶たれての芸人だったんですね……。

ピッピ そうですね。でも、当時は『レッドカーペット』(フジテレビ系列)とか『エンタの神様』(日本テレビ系列)とかもよく見ていたので、芸人もいいなとは思ってました。

――大石さんは、なぜお笑い芸人を目指したんですか?

大石 僕は大河ドラマに出たくて!

――え、それこそ俳優じゃなかったんですか?

大石 そうなんですけど、芸人ってなんでも屋さんというか、いろんなところで活躍できるじゃないですか。だから、芸人になったら大河ドラマにも出られるかなって。あと、僕は学生時代、1軍中の1軍だったんですよ。他のクラスに行って即興コントをやる、みたいなこともしてたんです。

――お笑いが好きだったと。

大石 そうですね。でも、いざ考え出すとあんまり現実的じゃなかったんで、将来のことも考えて専門学校に行って柔道整復師の資格も取ったんです。だけど、やっぱりお笑いをやりたくてNSC(吉本興業の芸人養成所)に入りました。

フタを開けてみたら…ただのバカでしたね(笑)

――お二人はNSCで同期だったものの、卒業後、数年経ってからコンビを結成されたんですよね。

大石 そうですね、3年後くらいですね。ピッピが「でかいやつと組みたかったから」と誘ってくれました。

ピッピ その前に組んでいた相方も小っちゃかったんで、チビ同士のコンビだったんです。先輩に「次はでっかい人と組んだほうがいいよ」って言われていて。そしたら、ちょうど大石が組んでいるコンビが解散するって聞いたので声をかけました。

大石 近場のでかいやつにね(笑)。

▲「でかいやつと組みたかったから」で結成された鬼ぷりん

ピッピ あと、これはジャニーズ(現SMILE-UP)が好きな僕の美学なんですけど、イケメンについていけば間違いない、みたいなのが根本にあって。

――イケメンで大きい人。まさしく大石さんですね(笑)。大石さんは声をかけられたときの心境はいかがでしたか?

大石 NSCのとき、ピッピの組んでいたコンビは「あいつら、おもしろいぞ」みたいに言われてたんで、組んでもいいかなと思いました。だけど、組んでフタを開けてみたら本当にただのバカで……(笑)。すごいのは相方のほうだったみたいです。

ピッピ コンビを組むまではそんなに仲よくなかったんで、うまく騙せてたみたいです(笑)。

――結成まではそんなに関わりがなかったんですね。

大石 そうですね。ただ、演技の授業で二人とも選抜メンバー組ではあったんで、多少の顔見知りではありました。ただ、僕はそのとき主役だったんですけど、ピッピは通行人ぐらいの役でした。

ピッピ そのときに、めっちゃかっこいい! と思っちゃったんです。主演が2人いたんですけど、もう1人が元ジャニーズJr.のやつだったんですよ。そいつと並ぶなんて、なんだこいつ! と思って。そこから“ひともく”置いてました。

大石 “いちもく”だから!

相方が番組で美女と恋愛してるなんてムリ!

――ピッピさんはコンビを組んでから大石さんの印象に変化はなかったですか?

ピッピ あんまりないですね。本当にイメージ通りで。今日、遅刻してきたのもかっこいいなと思いました。僕はビビリなんで、絶対に早く来ちゃうんです。

大石 そんなわけないだろ! 20分前に来るやつが一番かっこいいんだよ!……本当にすみませんでした!

――(笑)。大石さんは学生時代とかやっぱりモテたんですか?

大石 そうですね。バレー部の女の子を3か月おきぐらいでとっかえひっかえして付き合ったりしてました。4~5人目ぐらいで「バレー部女子ばっか狙ってない? あいつやばいぞ」って気づかれたんですけど(笑)。

――昨年は恋愛リアリティショーにも出演されていましたね。相方が出ている番組をピッピさんはご覧になったりするんですか?

ピッピ 見てました!

大石 オーディションの話が来る前に、ピッピから「これめっちゃおもしろいんだよ」って聞いてて、冗談で「大石も出れるんじゃない?」みたいに言われたんですよ。そしたら本当に「オーディション出ませんか」って話が来たのでビックリです。

ピッピ 予言癖があるのかもしれないです。言ったことが叶っちゃうんですよ。

大石 ほかにあるか? 言ってみろ。

ピッピ ……。

――(笑)。ちなみに、番組はどんな心境で見ていたんですか?

ピッピ なんか普段の大石とはちょっと違ったので、本当に『シャッフルアイランド』(ABEMA)に出てる“たいゆう”として見てました。

大石 じゃあ、相方がキスしたわけじゃなくて、たいゆうがキスしてるから別になんとも思わなかったんだ。

ピッピ そうっすね。だって、相方って考えると悔しすぎるんですよ……。「相方があんな美女たちと恋愛してる!」って考えちゃうと悔しすぎるんで、潜在意識で無理矢理に変えてたのかもしれないです。じつは僕もめっちゃ出たかったんで。

大石 ピッピは1回、オファーじゃなくて野良で履歴書を送ってるんですよ(笑)。

▲恋愛リアリティショーに出られた大石、出たかったピッピ

――お二人は現在、それぞれの趣味を生かしてSNSでも注目を集めていますが、それぞれ発信を始めたきっかけは?

大石 僕はTikTokとかでアニメキャラクターのものまねをやってるんですけど、当時一緒に住んでいた狛犬の坂口(トラック)っていう同期が、コロナで暇になったときに勧めてくれました。坂口が「イケメンが五条悟のモノマネをしてる動画」がバズってるのを見つけて、「お前も七海建人の声に似てるし、いけんじゃん!」と言ってくれたんで、暇だしやってみようかって。そこからですね。

――ピッピさんは自分のアイドル好きを発信してますね。

ピッピ NSCの面接のとき「ジャニーズが好きなんです」って言ったら、スタッフの人に「男子でそういう人少ないから、ちゃんと出したほういいよ」みたいなこと言われたんで、そのときからなんとなく考えてました。でも、同期に元ジャニーズJr.がいたんで、“好きだけじゃダメじゃん!”って思いましたけど(笑)。

大谷翔平と同じ人生を歩んでたはずなんですけど(笑)

――お二人は出てみたい番組などありますか?

ピッピ バラエティとかはめっちゃ好きなんで出たいです。ちゃんとそういう場所でウケたいですし、ウケるようにならないとですよね。去年は『深夜のハチミツ』(フジテレビ系列)に出させてもらったんですけど、二人ともスベりまくって落ち込んだんですよ……。

大石 5月レギュラーとして出させていただいたんですけど、4週合計で僕らの出演時間8秒ぐらいでした。何も残せなかったな……。やっぱり、二人ともああいうゴリゴリのバラエティに憧れて芸人になったので、どんどんやりたいです。僕は体も鍛えてるんで、体を張るロケとかもぜひ!

ピッピ 見たいですね~。

――大石さんの外ロケをスタジオでピッピさんが見るということですか?

ピッピ そうですね。なるべく僕は楽したいんで(笑)。

――(笑)。お二人は先輩方のなかで「こういう方みたいなポジションになりたい」など、憧れている方はいますか。

ピッピ 僕は平成ノブシコブシの吉村(崇)さんですね。いつでも元気で、吉村さんがいるだけで現場の温度が上がるみたいなのはすごいなと。あと、アイドルの方との共演も多いので(笑)。

大石 結局そこかい(笑)。僕は……誰かに憧れるというよりか、憧れられる人になりたいですね。

ピッピ いや、誰か挙げてよ(笑)。

大石 憧れるのはやめましょう! です(笑)。僕、大谷翔平選手と同学年で身長も2~3センチくらいしか変わんないんです。しかも学生時代、僕も野球をやっていた。知らないうちにこんなに差が開いてしまって……。途中までは一緒の人生を歩んでたはずなんですけどね(笑)。

ピッピ それはないよ。

大石 ここに大谷翔平さんがいた世界線もあったはずなんですけどね(笑)。

ピッピ 僕、大谷翔平さんとコンビを組んでいた可能性もあるの!? でも、どちらにしてもおっきい人と組めるから最高!

(取材:梅山 織愛)


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