「そんなにいいところに飛ぶ!?」NEC佐野航大が2戦連続ゴラッソで止まらない!トップ下で初先発と“万能ぶり”も存分に発揮【現地発】

3月1日、NECはフォレンダムを相手に5−2で勝利。今季、オランダリーグとKNVBカップで11ゴールを挙げているFW小川航基は過密日程ということもあり、67分からプレー。MF佐野航大はトップ下で先発して73分にベンチに退いた。NECは暫定6位。

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KNVBカップ準決勝で決勝ゴールを決めた佐野は、3日後のフォレンダム戦でもゴールを決めた。 NECが1−0とリードして迎えた31分、右サイドをMFフーデマーカース、ショーネ、FWハンセンが小気味よくパスをつないでから、右ポケットにいた佐野に通す。これを左足でトラップした佐野は右足で一閃。ブロックに来たDFの股を抜けたシュートにGK長田澪のセーブも届かず、左隅に吸い込まれていった。

「リーグ初ゴール。良かったです」。20歳のMFの笑顔が弾けた。

「普通に撃っても入らないと思ったんで、相手の股を開けて撃ったら(GKの)タイミングがずれました。あそこは適当に撃ちました。良いコースに行ったんで自分でもびっくり。ぽーんってシュートを撃った時に『そんなにいいところに飛ぶか!?』と思ってびっくりしました」

佐野にとってKNVBカップ、対カンブールで記録した公式戦初ゴールから2連発。元オランダ代表GKイエスパー・シレッセン、U-21オランダ代表ロビン・ルーフスを相手に日頃からシュートを撃ち込んでいる成果が出た。

「あのシュートも、やっぱり練習している形ですね。単純なシュート練習でもレベルが高い。そこは活きていると思います」

カンブール戦のセントラルMFから一転、この日の佐野はトップ下を任された。KNVBカップから中2日という過密日程のなか、前日練習はロンド程度で、戦術練習をする余裕はなし。これまでNECで試合中のコンバートという形でトップ下を務めたことはあったが、「最初からトップ下というのはファジアーノ岡山時代に2、3回やっただけ。だからフォレンダム戦は点を取るまでトップ下の感覚が掴めなかったです」と述懐した。

しかし、ベンチからの指示を受け、自身でもピッチの中を動きながら「どういう動きをすればボールをもらえるのか。どういう動きをすれば味方が空くのか」という感覚を掴んでいって、ゴールを含む高いパフォーマンスにつなげていった。

「チャロン(シェリー)とかチーム内にいい選手が手本にいるんで、やっぱり一緒にやっている選手を真似するのが一番わかりやすい。『なんでここにいるんだろう』っていうとこにいたりとか。

やっぱりフリーでボールを受けれる時というのは、考えて動いているときだと思う。だからチームメイトの動きも参考にしながら、これからももう一個 ゴールに近いポジションで(トライしたい)。やっぱり数字にも関わりやすいと思うんで、(トップ下を)自分の武器になるポジションにしたいです」

フォレンダム戦でも途中から右ウイングに移って多機能性を発揮した佐野は、73分でお役御免。チームは2日間のオフに入る。

「カンブール戦後はホテルに泊まったんですが、あんまり眠れませんでした。試合前日は寝れたんですが、やっぱり朝の7時には一度起きてしまう。午後から練習だったんで、2度寝したんですが、全然(睡眠の質が)足りず身体が重かった。だからオフは寝たいですね(笑)」

万能型プレーヤー、佐野航大の引き出しがまたひとつ増えた夜だった。

取材・文●中田 徹

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