首位陥落の「悔しさ」から大量10バーディ 岩井千怜の攻撃ゴルフ

首位陥落の悔しさを晴らす猛チャージ(撮影/高藪望)

◇国内女子◇ダイキンオーキッドレディス 3日目(2日)◇琉球GC(沖縄)◇6595yd(パー72)

トップの座を奪われた2日目は悔しくて、悔しくて仕方がなかった。初日7アンダーで単独首位発進を切った岩井千怜は「73」とスコアを落とし、6アンダー3位に後退した。逆転を許した西郷真央とは5打差。「まずは差を詰めたい」。最初からアクセルを踏み込み、バーディを量産した。

攻めの裏に潜む“落とし穴”も学んだ(撮影/高藪望)

1番は121ydを9Iで3m弱につけ、2番は2mを入れた。4番(パー5)は4.5m、5番は3.5m、8番(パー3)は134ydを9Iで2m弱につけた。後半に入っても止まらない。10番、11番(パー5)でともに3.5mを沈めた。そして、13番(パー3)で2mを決めて8個目のバーディを奪うと、西郷が3パットのボギー。ついに首位に再浮上した。

14番で9個目のバーディ。ボギーなしでスコアを9伸ばし、大会コースレコード「62」更新も視界に入った。「ここまできたらもっとできる。もっと今日はいけるかも」。ライバルとの直接対決は大歓迎。「一緒の方が回りやすい。どのくらい差が開いているか、詰まっているか状況判断ができる」と言った。

ただ、落とし穴もあった。ティショットをラフに曲げた15番。残り110ydだが、前方の木の枝の下を通そうと5Iを握り、引っ掛け、左ショートサイドのバンカーに捕まった。3打目はエッジに届いただけで、4オン2パットのダブルボギー。「『やっちゃった』って。バンカーに入らない番手を選べばよかった。花道から転がして乗せるというイメージで『こういう失敗があるんだ』と打ってから分かった」という。

今週はラインがすごく読めている(撮影/高藪望)

抜群の攻撃力と少しの反省が詰まった、10バーディ、1ボギー1ダブルボギーの「65」。日本勢最上位の13位になった前週の米ツアー「ホンダ LPGAタイランド」からパットのフィーリングがいい。ベントより芝目が強い高麗グリーンに対応できている理由を「自分の直感が一番合っている。それを信じられているからかな」と説明。「ラインがうまく読めて、すぐにフックかスライスかを読めている」と意気揚々だ。

後続を1打リードして迎える最終日。「リードのことは考えずに攻めるだけ。自分のゴルフをして伸ばせたら」。開幕戦優勝へ。反省すべきことだけは反省するが、アグレッシブなスタンスを変えるつもりは毛頭ない。 (沖縄県南城市/石井操)

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