「引っ張りっこ遊び」にはメリットがあるの?正しいやり方を聞いた

引っ張りっこには、ただ楽しく遊ぶだけでなく、いろいろなメリットがあるのをご存じですか? 引っ張りっこの必要性をしって、正しい引っ張りっこ遊びにトライしてみましょう。しつけトレーナーの西川文二先生に教えていただきました。

引っ張りっこの必要性を学ぼう

●単に噛みつき欲求を満たすだけではない

引っ張りっこ遊びでは、おもちゃを追いかけて噛みつく興奮噛みの欲求を満たすことができます。この遊びを通して、愛犬の興奮を抑えられるようになるだけでなく、噛みつき欲求が充分に満たされるので、あま噛みの予防にもつながります。さらには、愛犬はたくさん遊んでくれる飼い主さんのことを大好きになるのです。

クールダウンを教えられる

撮影/佐藤正之

引っ張りっこ遊びでは、「獲物を追いかけて噛みつきたい」という犬の欲求が満たせます。また、犬の興奮をコントロールするのに欠かせないクールダウン(小休止)を、遊びながら愛犬に教えることができます。

くわえているものを口から離せるようになる

撮影/佐藤正之

引っ張りっこ遊びを終えるとき、フードと交換することで、おもちゃを口から離させる練習ができます。これを繰り返していれば、愛犬が噛んでほしくないものを噛んでしまったときなど、危険回避にも応用できるように。

飼い主さんのことが大好きになる

撮影/佐藤正之

引っ張りっこ遊びをしていると、愛犬の噛みつきたい欲求が満たせるうえに、「飼い主さんはたくさん遊んでくれるから大好き」と愛犬が感じるように。飼い主さんとの関係がよくなれば、困った行動も少なくなっていきます。

噛みつき欲求を満たせてあま噛み予防になる

撮影/佐藤正之

引っ張りっこ遊びをしてみよう

●正しい引っ張りっこ遊びのやり方を知る

正しい引っ張りっこ遊びは、前述したように、あま噛み予防につながるだけでなく、興奮のコントロールに欠かせないクールダウンも愛犬に教えることができます。

1.リードをつけた状態でおもちゃを見せ注目させる

撮影/佐藤正之

手を噛まれそうになってもすぐ反対の手に持ち替えられるよう、おもちゃは大きめのものを用意しましょう。愛犬にリードをつけたら、おもちゃを見せ、注目させて。
※噛まれないよう、おもちゃは犬が噛んでいる近くの部分を持たないようにしてください。

2.おもちゃを生き物のように動かす

撮影/佐藤正之

愛犬がおもちゃに注目したら、持っている手を下げます。おもちゃを床にはわせ、噛みつきたくなるように動かし、噛んだら引っ張りっこしましょう。

3.興奮してきたらフードとおもちゃを交換する

撮影/佐藤正之

愛犬が低くうなり、おもちゃを引きちぎるような動きをしたら興奮のサイン。おもちゃを反対の手に持ち替え、あいた手にフードを握ってにおいをかがせます。犬がおもちゃを離したら、フードを与えて。
※2と3を繰り返し行います。

終わるときは、おもちゃを犬が飛びつけない位置まで上げる

撮影/佐藤正之

遊びを終えるときは、フードと交換したおもちゃを犬が飛びつけないように上へ持ち上げて。犬が落ち着いた状態で遊びをやめましょう。

飽きるまで遊ばせない!

撮影/佐藤正之

犬が飽きるまで遊ばせてしまうと、「あのつまらなかったおもちゃだ」という記憶が残り、次に遊ぼうとしたときに、遊ばなくなってしまうことも。

引っ張りっこ遊びの必要性と正しい引っ張りっこ遊びのやり方を理解できましたか? あま噛みや興奮のコントロールに悩んでいるなら、ぜひ取り入れてみてくださいね。

お話を伺った先生/しつけスクール「Can ! Do ! Pet Dog School」代表 西川文二先生
参考/「いぬのきもち」2021年5月号『はじめてしつけ コンプリートドリル あま噛み直し&引っ張りっこ遊び』
写真/佐藤正之
文/いぬのきもち編集室

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