マカオの街頭で寸借詐欺繰り返す…中国人の男2人逮捕、少なくとも17人が被害

警察が公開した連続寸借詐欺事案の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

 マカオ司法警察局は2月29日、4日間で少なくとも17人に対し、いわゆる寸借詐欺を繰り返したとして中国人(中国本土居民)の男2人(50代と30代、いずれも無職)を逮捕したと発表。

 警察発表によれば、同月28日午後8時頃、中国本土からマカオへ留学中の女子大学生からマカオ半島新口岸地区にあるカジノ施設付近を通りがかった際に男2人がカジノで負けてしまったため金を貸してほしいと声を掛けられた後、強引に近くの質店に連れ込まれ、危害を加えられるのを恐れてネットバンキングのキャッシングで1000香港ドル(日本円換算:約1万9000円)の現金を用意し、男らに持ち去られたとする通報が寄せられたとのこと。

 通報を受けた同局が捜査に着手し、被疑者の身元特定に成功。29日午前0時すぎにマカオ半島北部の祐漢地区にある無認可宿泊施設とみられるマンションの部屋で2人を逮捕。この際、男らの所持品の中から中国本土の大企業の高級管理職を自称する名刺の束が見つかったという。

 その後の捜査過程で、男2人が前日にもコタイ地区の路上で別の中国本土から留学中の男子大学生に似た手口で寸借詐欺を行っていたことも発覚。相手側が大企業の高級管理職を自称する名刺を見せながら、カジノで負けてしまったため金を貸してほしいと声を掛けてきた上、メッセージアプリで連絡先を交換し、すぐに返済すると約束したことから被害者は1600香港ドル(約3万円)を貸したものの、その後メッセージを送っても返事がなく、騙されたことに気づいて警察へ通報するに至ったとのこと。このほか、15人のマカオ居民、中国本土からの留学生、インバウンド旅客が同じ男らからマカオ半島及びコタイ地区のカジノ施設周辺の路上で同様の被害に遭っていることがわかり、被害総額は約3700パタカ(約6万9000円)に上っているとした。

 被疑者2人は同局の調べに対し、偽の名刺を事前に準備した上、詐欺目的でマカオ入りしたことを認めているとし、同局は2人を強盗及び詐欺罪で検察院送致する方針。

© 大航海時代新聞出版社有限公司