特殊詐欺の被害額3割減 神奈川県内1月、カードだまし取る「預貯金」は高止まり

神奈川県警本部

 神奈川県警は1月に認知した特殊詐欺の統計(暫定値)で、被害額が前年同期比約29.8%減の約1億4600万円、認知件数が同約27.4%減の92件だったと発表した。2022年末から昨年上半期にかけて相次いだ「おれおれ詐欺」などが大きく減少したためとみられるが、「預貯金詐欺」は高止まりの状況が続いており、県警の担当者は「楽観視せず、緊張感を持って取り組んでいく」と話している。

 被害額を手口別でみると、子どもや孫など親族を装う「おれおれ詐欺」が約35.2%減ったが、約7千万円で最多だった。次いで多かったのは、警察官や金融機関職員などを装ってキャッシュカードをだまし取る「預貯金詐欺」。被害額は約2600万円だったが、前年同期の約3.7倍に増えた。

 預貯金詐欺の認知件数は41件で昨年12月の60件から減少したものの、同9月以降は毎月40件以上が認知されている状況といい、県警の担当者は「手口が『おれおれ』から『預貯金』に変遷している。適切な啓発活動と摘発に努めたい」と警戒する。

 県警が今年1月に摘発したのは19人で、内訳は受け子15人、主犯格と回収役、指示役、出し子が各1人だった。年代別では10~20代が約8割を占めた。

 コンビニや金融機関などで被害が阻止できたのは83件。そのうち、コンビニが41件だった。県警の担当者は「被害防止に向けた意識醸成を進めていく」としている。

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