中国で発見の恐竜化石は新属新種、「英良達泰竜」と命名

中国で発見の恐竜化石は新属新種、「英良達泰竜」と命名

 【新華社北京3月2日】中国とカナダの研究チームはこのほど、江西省贛州(かんしゅう)市会昌県で2016年に見つかった2体のアンキロサウルス亜科の化石が新属新種であることが分かり、「英良達泰竜(Datai yingliangis)」と名付けたと発表した。

 アンキロサウルスは草食恐竜の一種で、後期白亜紀の北米とアジアに生息していた。最大の特徴は全身を覆う大量の骨の板で、よろいをまとったような姿から「装甲恐竜」とも呼ばれる。中でもアンキロサウルス亜科に属する恐竜は体が大きく、頭と胴の幅が広い。尾の末端には発達した尾錘(びすい)がある。

 中国地質大学(北京)の邢立達(けい・りつたつ)副教授と福建省英良石材自然歴史博物館の鈕科程(じゅう・かてい)執行館長がカナダ自然博物館の学者と共同で、国際学術誌「バータブレート・アナトミー・モルフォロジー・パレオントロジー」に発表した。

 邢氏によると、英良達泰竜はアジアのアンキロサウルス亜科から派生した分岐群であり、モンゴルと中国北部で発見されたピナコサウルスと姉妹群を形成する可能性がある。折り重なった状態で化石化していたが、ピナコサウルスも同様の状態で見つかったことがある。当時は風によって運ばれた砂の堆積で急速に埋もれたとみられ、ピナコサウルスの集団行動の間接的な裏付けとされた。

 邢氏は「英良達泰竜が川の流域や湖に堆積したのか、死亡した場所や生息していた場所でそのまま埋もれたのかはまだ分からないが、アンキロサウルスの群居行動に関連している可能性が高い」と話している。(記者/魏夢佳、馬暁冬)

 

© 新華社