【宮田莉朋F2密着】前車のスピン、SC導入と不運が続くも耐えて掴んだ初入賞。「今日は65点」

 金曜日のスプリントレース(決勝レース1)終了後、宮田莉朋が所属するロダン・モータースポーツのエンジニアは、スタートで出遅れた宮田のマシンからデータを吸い上げ、問題の解明にあたった。

「チームがステアリング側の制御を確認したところ、問題点を見つけることができました。それを改善して臨むことができた」という宮田は、土曜日のフィーチャーレースで5番手から、「普通のスタート」(宮田)を切った。

 ところが、1コーナーを過ぎた直後に前方で接触によるスピンしたマシン(カンポス・レーシングのアイザック・ハジャル)が現れてしまう。

「1コーナーの位置どりが悪くて、スピンしていたクルマの避け方で行き場を失い、ポジションを失ったのは残念です」と言う宮田は、中団に埋もれてしまう。

「あれで、僕のレースは難しい戦略になりました。結果的にはプライム(ハードタイヤ)でスタートしていたほうが安パイだったと思います。もし、スタートでプライムを履いて、最後にオプション(ソフトタイヤ)を履いていたら、もっと追い上げられていたと思います。ただ、今回は初戦なので、すべてチームの指示どおりにやることにしていました。これでいい勉強になったので、これを次のサウジ以降に生かしていきたいです」

 さらにオブションからプライムにタイヤを交換した後に出たセーフティーカー(SC)のタイミングも宮田にとっては悪かった。SC後の再スタートでは、オプションを履くドライバーたちに抜かれる厳しい展開にとなった。

「できる限り、ポジションを守ろうとしたんですけど、あまりにグリップ差があって、いまはタイヤを労って、後で挽回する作戦に切り替えました。こうなってしまったことは仕方がないです。とりあえず、チームの作戦に従っただけなので」

2024年FIA F2第1戦サクヒール 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)

 それでも、宮田は9位にとどまり、FIA F2初週末のメインレースでいきなり2ポイントを獲得した。

「ポイントを取らずに終わりたくなかったので、2ポイントですけど、最低限のことはやれたと思います」

 FIA F2で最初の週末を戦ってみて体力的にはどうだったのか。

「今日はタイヤマネージメントをやっていて、前回で走っていないので、特に問題はありませんでした。スーパーフォーミュラ(SF)とは違って、FIA F2はパワーステアリングがないのですが、それも少しずつ感覚が戻ってきました。SFはGがきついので、首や体幹がつらいのですが、FIA F2はパワステがないので、腕がきつい。あと、ブレーキングが重要なので、FIA F2のほうが余計に踏ん張るので、背中がきついです」

 初戦の週末を宮田は次のように振り返った。

「コースもタイヤもDRSも初めてで、いろんな経験をつめたことはポジティブです。勉強したことは次のサウジに生かしたい」

 スプリントレース後は60点と自分を評価した宮田。

「今日は65点。昨日よりもいいスタートが切れて、ぶつからずに終われたから。あとはタイヤのストラテジーですね。それは経験を積むしかないです」

 一歩一歩、着実に成長して、次のサウジアラビアへ向かう。

フィーチャーレースを終えた直後の宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)
2024年FIA F2第1戦サクヒール 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)

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