年金月8万円の80歳母、死去…「空き家の実家」訪れた50代息子、目撃した<衝撃的光景>【相続した実家の大問題】

親が亡くなり、実家を相続した場合にどうするか、結構な難問です。住む人がいなくなり空き家になってしまうけど、売却か賃貸か、それとも……さらに色々と検討する前に解決しないといけない大問題を抱えている場合も。みていきましょう。

親が亡くなり実家が空き家に…空き家保有経験者はどうした?

――何年振りかに実家に行ったが、膝から崩れ落ちそうになった

そう投稿した50代の男性。80歳になる母がガンで亡くなり、空き家になった実家を片づけに訪れたときのエピソードを綴っています。

20年前に父(夫)を亡くし、以来、実家でひとり暮らしを続けていた母。口癖は「お金貸して」だったといいます。毎月のように「年金、月6万円しかないのよ」と前置きしたあと、決まってお金を無心するというのがお決まりのパターンだったといいます。ただ父は保険にもしっかりと入り、遺産もそれなりにあったことを男性は知っています。それにも関わらずお金がないのは、単に母が浪費家だったからと知っています。。

――毎回お金を渡すのもよくない

そう思い断ると、今度は当時、中学生だった男性の子どもにまでお金を無心するようになったとか。「子どもに対して、何やっているんだ!」と、さすがに男性も怒り心頭だったとか。それ以来、母とは一定の距離をとるようになったといいます。ただ母が病気になり入院してからは、さすがに見舞いに通ったとか。

――母はよく暴言を吐く人だったので、親戚とはほぼ絶縁状態だった

そのためか、見舞いに訪れるのは男性くらいだったといいます。

そして冒頭、母が亡くなったことで実家が空き家に。相続した不動産が空き家になった場合、その空き家を管理する責任は相続の権利がある人全員で共有します。今回、とりあえずそのままにしておくのはまずいだろうという話になり、状況を把握するために長男である男性が何年振りかに実家に行ったといいます。

一般社団法人あんしん解体業者認定協会が空き家の所有経験のある人に対して行った『空き家の処分・活用方法に関する意識調査』によると、「空き家の処分や活用を考える際に検討したこと」として最も多かったのが「中古住宅・古家付きの土地として売却」と「そのまま自身・家族が住む」でともに37.5%。「更地にして売却」「リフォーム後に自身・家族が住む」「賃貸住宅にする」と続きます。

また「空き家を所有していることの不安」で最も多かったのが「老朽化・災害で壊れそう」で40.0%。「犯罪被害や火災が心配」「維持・処分にコストがかかる」「近所迷惑になりそう」「管理に手間がかかる」と続きます。

――とりあえず、キレイにして人に貸そうかときょうだいの間では考えていました

「空き家となった実家」の大問題!片付けと清掃に数十万円も

それなりに賃貸のニーズがありそうな場所にあったという、男性の実家。売却も考えましたが、とりあえず人に貸せないか検討することに。状況確認のため久々に実家に訪れたところ、冒頭のように膝から崩れ落ちそうになりました。

――昔から母は片づけられない人だった

実家の玄関を開けると、足の踏み場もないほど“モノ”で溢れていたといいます。古い食品やポケットティッシュなどの日用品、自分で着るものなのか分からないような大量の衣服、どこからか拾ってきたような家電製品……。さらに畳や襖はボロボロで、腐っているのではないか、という状態だったといいます。

――モノで溢れているばかりか、どこからか異臭もして……

このままでは近所迷惑になってしまう。まずは片付けを試みましたが、あまりのゴミ(だと思われるもの)の量にすぐに断念。プロに頼まないと埒があかないと、片付け業者に頼ることにしたといいます。

――片付けだけに40万円、清掃にさらに10万円……なんか、バカらしくなりました

ミライルまごころサービスが行った『遺品整理の印象・イメージに関するアンケート調査』で「遺品整理で大変そうなこと」をたずねたところ、最も多かったのが「不用品の処理」で78%。「遺品と不用品の仕分け」「大型家財の搬出」「清掃」「金銭的な負担」と続きます。

また「遺品整理業者へ依頼する場合の費用」についてたずねると、「5万円未満」が最も多く44.0%。「5万~10万円未満」「11~15万円」と続きます。

この結果をみると、男性が空き家となった実家を片付けるのに50万円というのは、あまりに負担が大きく、「バカらしくなりました」というのも無理のない話だといえるでしょう。

ただ前出の調査にあるように、空き家を放置しておくデメリットは大きいもの。管理が行き届いていない空き家は、火災リスクが高く、注意が必要です。仮に放火などで火災が起きた場合、重過失以外は基本的に所有者責任を問われません。ただ自然発火の場合は重大な過失の有無によって責任が変わります。どちらにせよ、道義的な責任の有無は別問題といえるでしょう。

[参考資料]

一般社団法人あんしん解体業者認定協会『空き家の処分・活用方法に関する意識調査』

ミライルまごころサービス『遺品整理の印象・イメージに関するアンケート調査』

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