オリックス山下舜平大が“大谷翔平化”?大物感漂う剛腕は今季何勝するか

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ストレートは平均154.2キロ、山本由伸を上回る奪三振率

パ・リーグ4連覇を狙うオリックスは絶対エースの山本由伸がドジャース、昨季11勝の山﨑福也はFA宣言して日本ハムに移籍した。3年連続2桁勝利の宮城大弥とともに、左右の両輪として期待されるのが山下舜平大だろう。

福岡大大濠高からドラフト1位で入団して4年目を迎える21歳。身長190センチの恵まれた体格で早くからポテンシャルに期待されていたが、プロ初登板で開幕投手に抜擢された昨季、9勝3敗、防御率1.61をマークして一気にブレイクした。

2023年の一軍公式戦で投じた球種はストレート、カーブ、フォークのわずか3つしかない。ただ、ストレートは平均球速が154.2キロ。最速ではない。平均での数字だから驚異的だ。

ストレートの被打率は.257だが、カーブは.161、フォークに至っては.065とほとんど打たれておらず、空振り率も25.0%と高い。奪三振率9.57は山本由伸の9.27を上回っている。

8月末に腰を痛めて離脱したため優勝の瞬間にはベンチに入れず、日本シリーズも登板できなかった。新人王に輝き、優勝に貢献しながらその場にいられなかったことは、今季への新たなモチベーションとなっただろう。

日本ハム時代の大谷翔平と同じ背番号「11」

そんな剛腕は地道なトレーニングを積み、立派な体格がさらにスケールアップ。ルーキーイヤーの2021年に公称93キロだった体重は100キロに増えた。ユニフォームを着ていても分かるほど大胸筋が発達している。

遠目から見ると、あのスーパースターと見間違えそうになる。そう、ドジャースの大谷翔平だ。

日本人離れした立派な体格、顔つきもどこか似ている。昨季まで背番号12だったが、今季から大谷が日本ハム時代に背負っていた11に変更した。

プロ3年目の2015年に15勝5敗、防御率2.24をマークして、最多勝、最優秀防御率、最高勝率の3冠に輝いた大谷が歩んだ道のりと重なると言うと、買いかぶりすぎだろうか。今季、山下が15勝しても全く不思議ではないだろう。

今春キャンプでもトレーニングはもちろん、フォームのチェックなど細部まで入念に不安を残さず仕上げようという姿勢が見てとれた。2月28日のロッテとの練習試合では2回1安打無失点に抑え、順調に来ている。

3月6、7日に京セラドーム大阪で欧州代表と対戦する侍ジャパンのメンバーにも選ばれている。まずは慣れ親しんだホームでどんな投球を披露してくれるのか楽しみだ。



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