『離婚しない男』工作員の意外な正体が明らかに 藤原紀香演じるナオミのぶっ飛んだ独自性

司馬マサト(小池徹平)が岡谷渉(伊藤淳史)に送り込んだ工作員の意外な正体が明かされた『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』(テレビ朝日系)第7話。

どうやら竹場ナオミ(藤原紀香)は女優ではなく、有名な官能作家で名前も本名だった。それよりもスーパーで特売品を取り合った女子高生・梅比良梓(浅川梨奈)こそが“工作員”だったのだ。売れない俳優の卵で、マサトやその部下の千里(玉田志織)に唆され、渉にハニートラップを仕掛ける。

母親の再婚相手に暴力を振るわれた家出少女という設定の梓に、また“自分が何とかするから”と、のこのこと彼女の宿泊先の場末のホテルについていく渉。危機感がなさすぎる。

ただ渉が唯一ついていたのは、凄腕弁護士・財田(水野美紀)に弁護を頼んでいたことだった。渉のスマホにあらかじめGPSを設定しておき、まんまとハニートラップにハマり睡眠薬を飲まされて身動きが取れない渉を無事助け出す。

さらには、探偵の裕(佐藤大樹)が裏でマサトと手を組んでいたことも突き止めていた。どこで気が付いたのだろうか。裕が仕込んだ隠しカメラやレコーダーの場所を梓は「マサトさんから聞いた」と言っていた時点で我々はその繋がりを疑ったものの、財田はその場にはいなかった。

ここで改めて驚きなのは、工作員でも何でもないのに“パイパイパーリー”などを素でやってのけてしまうナオミの独自性だ。マサトにとってもラッキーと言える、ビックリで適役な隣人だったことだろう。

しかし、離婚し旧姓に戻り“リボーン”することを決めたナオミは引っ越すことになる。去り際、綾香(篠田麻里子)に「人や夫に依存しすぎていて“自分らしさ”を見失っていた」という反省を打ち明けていたが、綾香は何か思い至ることはなかったのだろうか。

マサトから「お前なんかがそんなこと考えなくていいんだよ!」と切り捨てられ、初めて“お前呼び”されてしまったあの瞬間に何か違和感は感じなかったのだろうか。娘の心寧(磯村アメリ)に自分の夢を託し、マサトの言いなりな自分自身を省みることはなかったのか。マサトとの子どもを妊娠した綾香は次週、この既成事実を親権のためにも何とか渉との子どもだと錯覚させるために、温泉旅行に誘い出すのだろう。

気になるのは、渉の父・茂(利重剛)が、渉の高校の卒業アルバムの在りかについて電話で息子に聞いていたことだ。渉の両親とマサトの母親の自殺が何か関係しているのだろうか。

また次週は財田の過去も明かされるようで、観月ありさや高橋克典というまたキャラの濃そうな新メンバーが登場するようで、強烈な展開が待ち受けていそうだ。

(文=佳香(かこ))

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