新チームの青写真 バスケットボール女子① 明豊 新王者として九州制覇に挑む 【大分県】

3年生が卒業し、新チームはどのような青写真を描いているのか。本シリーズでは、バスケットボールの県高校新人大会で4強入りし、九州大会への出場権を得たチームの現在地を整理。さらに強化ポイントをチェックしながら、今後の動向を占う。女子の第1回は、県高校新人大会で2度目の優勝を果たした明豊。

【チームパラメーター】( )は昨年の数値

オフェンス 8(8)

ディフェンス 8(7)

リバウンド 7(7)

シュート 8(8)

3点シュート 9(9)

高さ 8(8)

年末の全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)に出場した先発組が、そのまま新チームの主力として残る明豊。県高校新人大会では2005年以来の優勝を果たした。初戦から危なげなく勝ち上がり、決勝では大分に、序盤こそ手を焼いたが81-53で快勝した。杉山真裕実監督は「大会中にけが人が出て悪い空気になった。決勝の内容は全く満足できるものではなかった」と歯切れが悪かった。

収穫がなかったわけではない。追われる立場を経験し、苦しみながら勝ち抜いたことは、これまでにない経験だ。杉山監督は「慌てることはない。結果を出して修正できることをポジティブに捉えたい」と気持ちを切り替える。キャプテンの末永瑠奈(2年)は「負けが許されず、対戦相手が対策を練ってくる状況で勝てたことは良かった。ただ、私たちは県大会で他校を圧倒し、全国で勝てるチームになる」と高みを目指す。

先発は昨年から同じメンバーがそろう

チームづくりは次のステージに向かっている。先発5人はプレーの幅を広げようと、それぞれが新しいことに挑戦している。ポイントガードの原田美優(2年)は「ドライブからのバリエーションを増やし、3ポイントシュートを覚えている。練習では、ある程度の手応えはあるけれど、試合で使えなければ意味がない」と話し、意識の高さが伺える。もちろん5人以外も自分の武器を磨いている。急成長を遂げる渡辺優美菜(同)は流れを変える6番手としての役割を確立し、守備を得意とする松下みのり(1年)はエースキラーとして出場時間を延ばしている。杉山監督は「全体の底上げが必要。組み合わせを考えながら、どんなアクシデントが起きても戦力を落とさずに戦えるチームにしたい」と語る。

九州大会では、初戦で延岡学園(宮崎)、勝てば精華女子(福岡)との対戦が見込まれる。末永は「九州の強豪校とどれだけ戦えるか楽しみでしかない。自分たちがどれだけ成長したか確かめたい。目標は優勝」と力強く宣言した。明豊の新たな歴史を築く一年が始まった。

県高校新人大会は2005年以来の優勝となった

(柚野真也)

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