“乃木坂46らしさ”を具現化する奥田いろは 純真さ、歌唱力、ミュージカル……グループ内外から集める注目

乃木坂46 奥田いろはが、あらためてグループ内外から今大きな注目を集めている。

まずはグループメンバーから、奥田に熱い眼差しを向けるのがキャプテンの梅澤美波と岩本蓮加。乃木坂46のYouTubeチャンネルにて公開された企画「先輩から5期生へ逆バレンタイン大作戦」のなかで、このふたりの先輩メンバーが奥田を指名し、その魅力を熱く語ったのだ。

梅澤は「乃木坂46を具現化した子」「どこに出しても恥ずかしくない子」「いつも頑張ってて、リハーサルも笑顔」「乃木坂46をもっといろんな形で広めてくれる子だなって確信してる」と、岩本は「いろはの才能、センスがめちゃくちゃ好き」「歌とか喋り方、声、パフォーマンスがすごく輝いていて、いろはしか持ってない武器がすごい素敵」とそれぞれ絶賛コメントの嵐だった。

『乃木坂工事中』(テレビ東京系)初登場時には「ポジティブガール」と紹介され、『乃木坂スター誕生!』シリーズ(日本テレビ系)ではMCのオズワルドから「いろり」(ジブリっぽい×いろは)と呼ばれている奥田。先述した「逆バレンタイン」のもととなる企画「お歳暮グランプリ」で、5期生のトリを飾った奥田は、黒見明香とめでたく両思いとなるも、5期生からプレゼントをもらっていない先輩を思い、「なんで私はプレゼント7個持ってないんだろうと思って。申し訳なくて。みなさんのことが大好きなのに」と涙を流したことがあった。そんなメンバーを思いやることができ、寄り添うこともできる純真さが、形のない“乃木坂46らしさ”に当てはまっていると言える。その一方で、今年のお正月休みには、家族でバギーに乗りに行くアクティブな面もあり、「ジブリを具現化した子」と言っても間違いではない。

5期生としての初お披露目時から奥田の武器として定着している、アコースティックギターの弾き語りとその透き通った歌声。『乃木坂スター誕生!』シリーズでは五百城茉央とのユニット・カフェオーレでオリジナルソング「star.」を作詞作曲していたり、YouTubeの企画で挑戦したストリートライブ、『33rdSG アンダーライブ』で弾き語りした「君は僕と会わない方がよかったのかな」など、取り上げたいエピソードは多くあるが、なかでも筆者が忘れられないのは『超・乃木坂スター誕生!』でカバーした上白石萌音「なんでもないや」。歌の上手さだけではないどうにもならない、その声質と楽曲の相性のよさを感じさせるパフォーマンスであり、唯一無二とはこのことを言うのだと強く印象に残っている。“乃木坂46 cheers 松任谷由実(produced by 小室哲哉)”として、『ユーミン乾杯!! ~松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム~』収録の「守ってあげたい」の歌唱メンバーに選抜されていることは、その歌唱力が認められている証拠である。

そして、奥田は今グループ外からも注目され始めている。それが、今年5月より新国立劇場中劇場で上演されるミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で、ジュリエット役を務めるということだ。彼女は本作で初の舞台出演を果たす。5期生写真集『あの頃、乃木坂にいた』(マガジンハウス)の巻末インタビューで、「ジュリエット役は実はオーディションで掴んだ役なんですが、決まった瞬間にミュージカルの世界が一気に拓けた気がしたんです。明るくて純粋で儚いジュリエットのようなお姫様役に、これからどんどん挑戦していきたいという夢ができました。いつか大好きなミュージカル『アナスタシア』で、主人公のアーニャ役を演じてみたい」と奥田は俳優としての展望を語っている。

今回のジュリエット役は、かつて生田絵梨花が乃木坂46在籍時に演じていた役でもあり、奥田がそのバトンを継承するメンバーとなった。『乃木坂46"5期生"版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2024』にはスケジュールの都合でVTR出演となってしまうが、かつて白石麻衣が演じたクイーン・セレニティ役ということも、今後振り返った時に相応しいと思える未来がやってくるのかもしれない。

菅原咲月、五百城との仲良し同級生トリオ「さつまいろ」とともに、この春に高校を卒業する奥田。新緑の季節、彼女はまだ見ぬ自分に出会うため、新たな一歩を踏み出す。

(文=渡辺彰浩)

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