不登校の子 居場所に 音楽家 マシコタツロウさん フリースクールを準備 茨城・常陸太田

実家でフリースクール開設の準備を進めている音楽家のマシコタツロウさん=常陸太田市春友町

茨城県常陸太田市出身の音楽家、マシコタツロウさんが今春、故郷でフリースクールの開設を目指して準備を進めている。次女の不登校の経験を通し、不登校やひきこもりの小中学生に居場所を提供したいとの強い思いを形にする。マシコさんは「気持ちが疲れている子どもたちの心を癒やす場所であり、次の一歩を見つける場所にしたい」と話している。

フリースクール「こどもの新しい居場所 えーぽいんと」は同市春友町のマシコさんの実家に開設する。両親が暮らしているが、生活に支障のない和洋3室を活用する。

スクール名の由来は「敷居の低い最初に到達できるポイント。温かい、安心できる、ありのままでいられる場所、新しい居場所」などマシコさんが目指す場所を表した。

マシコさんは「次女の不登校に対応するために勉強し、動いた中で自分がどうにかしてあげることが難しく、自分は次女を肯定して温かく見守るしかなかった。親としてもきつく、つらかった」と心境を吐露。「それでも私に何かできることはないかと考え、保護者を安心させたい、子どもたちに学校以外の居場所をつくってあげたいと思った」とフリースクール開設への思いを明かした。

対象は、多様な学びや穏やかな環境で過ごしたいと願っている小中学生。自由に遊び学べる居場所を提供し、楽器演奏や木工、山や川遊び、園芸、調理、そば打ちなどを通して自己肯定感や自己有用感などを育みたいとしている。

周囲には川や山があり、市街地にも近い立地。「自分が生まれ、音楽人のマシコタツロウが生まれた地。考えごとをしたり、前向きになったりするために必要なものがそろっている。自然のパワーを感じる」と話す。

茶畑や季節の野菜を作っている畑もあるため、「子どもたちが興味を持ったことに自ら取り組んでもらおうと思う。本人が何をするかを選ばないと何も変わらない」と説明する。

開設すれば、市内で初の民間フリースクールとなる。教員資格などを持つスタッフを配置し、マシコさんの両親もマネジャーや講師役としてかかわる予定だ。

利用可能日は月、水、金曜日の午前9時から午後4時。入会費1万円で利用料金は1回2500円。問い合わせはメールでapo.ibaraki@gmail.com

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