セイウチ「ヒマワリ」嫁入り 伊勢シーパラ、南知多ビーチランドに期間限定で 三重

【ペアリング相手の「キック」(左)と同居している「ヒマワリ」=愛知県美浜町の南知多ビーチランドで(伊勢シーパラダイス提供)】

 【伊勢】三重県伊勢市二見町江の水族館「伊勢シーパラダイス」が、愛知県美浜町の「南知多ビーチランド」と連携し、セイウチの繁殖に取り組んでいる。5回目となる今回は、雌のセイウチ「ヒマワリ」(23歳)が2月末に、南知多ビーチランドの雄のセイウチ「キック」(26歳)の元へ期間限定で嫁入りした。

 伊勢シーパラダイスによると、国内では9施設で計22頭のセイウチを飼育しているが、繁殖に成功したのは3施設のみ。セイウチの輸入は難しく、飼育施設が協力して繁殖に取り組んでいて、両水族館も令和2年から繁殖プロジェクトを実施。ヒマワリとタンポポ(雌、21歳)を南知多ビーチランドに貸し出し、キックとの繁殖を目指している。

 ヒマワリは現在、キックと同居していて交尾の確認ができ次第、伊勢シーパラダイスに戻る予定。担当者は「ヒマワリは今回で3回目の嫁入り。なかなか喜ばしい結果につながっていない状況ですが、回を重ねるごとにセイウチと飼育スタッフの両方が経験と知見を重ねており、セイウチの繁殖に向けて少しずつ前進している」と期待する。

 昨年2月にキックと繁殖を試みたタンポポは、昨秋に妊娠が確認された。現在は母子ともに順調だが、セイウチのふれあいイベントは中止し、慎重に見守っているという。

 担当者は「タンポポは2回目にして初めて妊娠し、順調にいけばこの5―6月頃に出産予定。初めての出産なのでどうなるかは分かりませんが、無事生まれてきてくれるよう飼育員たちも祈っている。出産がうまくいくように皆さんの応援をいただけるとうれしい」と話していた。

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