佐賀県華道連合会相談役で草月流一級師範理事の前田星萠(せいほう)さん(89)=佐賀市=が、日本形成外科手術手技学会が開催された同市のグランデはがくれに生け花作品を展示した。源氏物語に登場する女性の装いをテーマに色鮮やかな花材を組み合わせ、高さ3メートル、幅2.5メートルの大作を仕上げた。
源氏物語の作者紫式部の生涯を描くNHK大河ドラマ「光る君へ」から、創作のイメージを膨らませた。生け込みには弟子10人も協力。桃の花やサンシュユ、ユキヤナギなど季節の花を十二単ひとえのように重ね、流れるように配置したルトジや割竹で衣の裾を表現した。前田さんは「芸術は喜びにつながる。見る人の心の癒やしになれたら」と話す。
2日に開かれた学会には約300人が参加。会長を務めた佐賀大医学部の上村哲司教授は前田さんの門下生で、「形成外科は美を求めるという面でアートと共通する。全国から集まる医師を華やかにお迎えできた」と喜んだ。3日まで1階ロビーに展示される。(米倉義房)