蓮田駅ホームで“無差別殺傷”…JR、警察など連携で訓練 地元消防本部が企画、近隣病院などから計50人参加

駅ホームで無差別殺傷事案が起きた想定で訓練に取り組む関係者=1日午前、JR蓮田駅

 埼玉県蓮田市は1日、JR宇都宮線蓮田駅、西口駅前広場で、警察、JR、消防、医療機関と連携し、無差別殺傷事案が発生した場合を想定し対応訓練を行った。ホームで犯人役を含む13人が負傷。駅員が通報、負傷者のトリアージ、応急救護所の設置、負傷者を搬送するなど、相互の連携を確認した。

 同市消防本部が訓練を企画した。JRや岩槻署、さいたま赤十字病院、周辺の上尾消防、埼玉県央広域消防が参加。人員は50人に上った。訓練は駅下りホームで男性がナイフを振り回す設定で行われた。犯人役は相次ぎ乗降客を刺し、待合室で自死を図った。

 訓練では、事案の発生を確認しJR職員が通報。駆け付けた警察や消防が状況を無線で伝え合った。多数の負傷者が出たことを想定。指揮本部や応急救護所を設置、ドクターカーが駆け付け、トリアージ、救急搬送などを行った。

 医師が負傷者の症状を確認する間、救急隊が別の負傷者の状況を見てほしいと叫ぶ場面も。負傷した犯人役男性をストレッチャーで搬送する際には、駅員や消防が、警察が付き添う必要性を指摘するなど、連携を図った。

 訓練を統括した蓮田市消防本部指令課の茅野俊幸消防指令は「警察、病院、各機関との連携を想定したここまで大きな訓練は初めて。駅の利用者は多く、安心安全なまちづくりに努めたい」としている。

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