【ガーデニング】色の組み合わせでNGなのは? 吉谷桂子さんの寄せ植え作りQ&A

ひとつのコンテナに魅力的な植物世界を描き出す吉谷桂子さんの寄せ植え。植物選びからメンテナンスに至るまで、吉谷さんが実践している寄せ植え作りの基本の考え方とは? 今回は「同系色、反対色の組み合わせは失敗がない?」「色の組み合わせでNGなのは?」の2つの疑問にお答えいただきました。

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Q 同系色か反対色の組み合わせは失敗がないと聞きますが、なぜですか? また、反対色とはどんな組み合わせですか?

A 色の系統を絞る同系色は洗練され、反対色は引き立て補い合う

反対色は補色ともいい、互いが文字どおり補い合う色彩。華やかな暖色をシックな寒色の色で補うことで、膨張色の黄VS.縮小色の青や紫の効果で、絵画的な遠近感も演出できます。

寄せ植えで使う色は1系統から2系統までに絞る──これは英国庭園における色彩計画の基本です。同系色だけを組み合わせる1系統は洗練された印象を与え、フォルムの違う植物を組み合わせることで最も絵になります。

同系色とは図1の「色相環」で隣り合う色同士です。

反対色の組み合わせは互いに引き立て合い、2系統なので失敗がありません。反対色(補色)とは「色相環」で向かい合う色同士です。「赤+緑」、「黄色+紫」のほかにも、「オレンジ+青」や「ピンク+黄緑」などになります。

紫色のパンジーとネメシアが、反対色である黄色のチューリップとヤマホロシの斑入り葉を引き立てる。

Q 色の組み合わせで、NGというものはありますか?

A 彩度の高い純色同士は組み合わせるのが難しい

色には色相(前ページ図1参照)に加え、鮮やかさを示す彩度と明るさを示す明度という3つの属性があります。

組み合わせるのが難しいのは、彩度の最も高い純色同士。彩度が低くなる(くすむ)ほど色はなじみやすくなり、パステルカラーの基調色は常に白なので、何色のパステルカラーでも、関連性のある色調は品よくまとまります。彩度や明度を組み合わせトーンをそろえることでも、色は組み合わせやすくなります。

このように色は関係性のある親戚を集めることでまとまります。インテリアや洋服のコーディネートと同じ。色の話は難しいと思われるかもしれませんが、色は楽しさや華やかさなどの心理的効果も大きいので、意識して使うことが寄せ植えを作るうえで大切です。

色相環のようにカラフルなリース。ブルーとイエローの間は、アルテルナンテラのグリーンの葉でつなげている。
1株でピンクやオレンジ、アイボリーなどの花色をもつマーガレット。脇役のステラ(バコパ)などもパステルカラーで統一している。

撮影/吉谷桂子

※この記事は『園芸ガイド』2013年春号の記事をWEB用に再編集したものです。


監修者
英国園芸研究家 吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。英国暮らしの経験を生かしたガーデンライフを提案。「中之条ガーデンズ」「はままつフラワーパーク」など各地の庭を手がけ、また、ガーデニングプロダクトの企画、デザインも行っている。『花の楽しみ 育て方飾り方』(主婦の友社)など著書多数。

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