15年間休まず営業 昭和の佇まいに優しさと人情があふれる「タクちゃんラーメン」【名古屋市中川区】

「タクちゃんラーメン」の絶品メニュー

名古屋市中川区下之一色町にある「タクちゃんラーメン」は、創業38年を数えるラーメン店。激シブなレトロビルを進んだ先にあり、入るにはかなり勇気が必要な佇まいをしています。ひとたび店内に入ると、いつも多くの客でにぎわいます。

タクちゃんラーメンの看板メニューは、昔ながらの中華そばスタイルを貫く、あっさりした醤油味のラーメンです。

「ラーメン」も「から揚げ丼」も昭和価格

スープまで飲み干したくなるほどのおいしさはもちろん、600円という物価高を感じさせない価格設定に驚かされます。しかも大盛りも600円で提供と太っ腹!

から揚げ丼

さらにタクちゃんラーメンの人気メニューが「から揚げ丼」です。ご飯の上にゴロゴロとから揚げをトッピング。その上にアツアツのあんかけを注いだボリューム満点のから揚げ丼です。価格は600円と、こちらもお値打ち価格で楽しめます。

「餃子(10ヶ)」400円

タクちゃんラーメンでは「餃子」も好評。小ぶりサイズで食べやすく、絶品の味わいに客も大絶賛です。特製の手包みぎょうざは10ヶ1皿で400円。ラーメンや唐揚げ丼と一緒に頼んでもちょうど1000円とうれしい価格設定です。

タクちゃんが年中無休・昼休憩無しで営業する理由

1人で頑張り安さをキープ

「高いより安いほうが、お客さんも喜ぶでしょう」と話すは店主のタクちゃん。客に喜んでもらうため、店主1人の力で安さをキープしています。

そんなタクちゃんラーメンは年中無休で営業。そのためタクちゃんはなんと15年にわたって1日も休みを取っていないそうです!

「ここにいるのが人生」と話すタクちゃん

「下手に休んじゃうとなんか狂う」と話すタクちゃんは、店にいることが人生だとか。年中無休で店を切り盛りするタクちゃんの下には、ディープな常連客がたくさん足を運んでいます。

商店街で昼も夜も営業する唯一の飲食店

年中無休で営業

タクちゃんは生まれてから65年間、中川区下之一色町を一度も離れたことがないそう。下之一色町は、庄内川と新川に挟まれた中州にある町です。江戸時代から漁業が盛んに行われ、伊勢湾有数の漁師町として栄えてきました。

しかし、時代の流れと共に港や魚市場は姿を消し、100以上あった商店街の店も今では数えるほどに。現在では「タクちゃんラーメン」が商店街で昼も夜も営業する唯一の飲食店となっています。

地元の高校生にも親しまれているタクちゃんラーメン

昼を過ぎると3時間以上お客さんが来ないことも。タクちゃんによると「お昼を食べそびれた人が来られるように」と、毎日開店から閉店まで休憩無しで営業を続けているといいます。「タクちゃんラーメン」は、町の人たちにとっての憩いの場所になっています。

満面の笑みを見せる店主のタクちゃん

93歳の長老から令和の高校生たちも足繁く通うタクちゃんラーメンですが、建物の老朽化で解体がスタート。今の場所で営業できるのはあと9年だとか。「その先どうするの?」と常連さんたちから心配の声が上がりますが、タクちゃんは自宅を改装して店を続けたいと考えています。「まだいけそうなので」と意欲満々のタクちゃんでした!

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