遺族年金を受け取れる人
厚生年金保険の被保険者である間に死亡した場合、遺族は老齢厚生年金を受け取ることができます。ただし、厚生年金保険料を、国民年金加入期間の3分の2以上の期間が納付済みであることが必要です。
そうした条件を満たした上で、死亡した人の配偶者は遺族厚生年金の受給対象者となります。
年金で受け取れる額
夫が亡くなった専業主婦の場合、遺族年金の受給資格を満たしていれば、遺族年金と主婦自身の国民年金を受け取ることができます。
では、具体的に受け取ることができる年金の額はいくらなのでしょうか。
国民年金
専業主婦の場合、国民年金保険料を払うことになり、老後は国民年金を受け取ることができます。
国民年金保険料を払っている人がもらえる国民年金の給付額は令和4年度末で1人当たり月平均5万6000円です。
遺族年金
遺族年金の年金額は、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4の金額になります。
したがって、遺族年金がいくらかを調べる最も簡単な方法は、ねんきん定期便で老齢厚生年金の報酬比例部分がいくらかを確認することです。
目安として、老齢厚生年金の受給額のおおむね3/4と考えてください。
年収600万でボーナスなしとした場合、夫の65歳からの老齢厚生年金の予想受給額は約186万円、遺族年金はその3/4のため、約140万円になります。1月あたり約11万7000円を遺族年金として受け取ることができる計算です。
自分で計算したい場合は下記の式をもとに計算することも可能です。
報酬比例部分 = A(平均標準報酬月額)+ B(平均標準報酬額)
A:平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 2003年3月までの加入月数
B:平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 2003年4月以降の加入月数
ただし、遺族厚生年金の計算は複雑なため、正確な金額を知りたい場合は、年金事務所や年金相談センターへ問い合わせることをおすすめします。
1月あたりでもらえる年金は、遺族年金約11万7000円、国民年金約5万6000円で合計約17万3000円になります。
ただし、これはあくまで額面金額です。
ここから、社会保険料が年間約1万3000円、所得税が年間約2万5000円、住民税が年間約6万円引かれます。
月約8000円が引かれるため、手取りは約16万5000円になります。