男子テニス“決勝負けなし男”アンベールが通算6勝目を獲得!「僕はツアー決勝に関しての良いデータを持っている」<SMASH>

男子テニスツアー「ドバイ・デューティフリー選手権」(2月26日~3月2日/UAE・ドバイ/ハードコート/ATP500)は現地3月2日にシングルス決勝を実施。第5シードのユーゴ・アンベール(フランス/世界ランク18位)が、第7シードのアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン/同23位)を6-4、6-3のストレートで下し、早くも今季2勝目を飾った。

“決勝負けなし”の男がまたしても頂上決戦で強さを発揮した。今大会は初戦からガエル・モンフィス(フランス/元6位/現54位)、アンディ・マリー(イギリス/元1位/現67位)、フベルト・フルカチュ(ポーランド/8位)、さらにはディフェンディングチャンピオンのダニール・メドベージェフ(ロシア/4位)とそうそうたる選手を破って勝ち上がってきた25歳のアンベール。

ツアーでは初対決となったブブリクとの決勝でも持ち前のベースラインからのアグレッシブなテニスで主導権を掌握。中でもフォアハンドで相手を押し込む場面が目立ったアンベールは、計27本のウイナーを決めるなど順調にポイントを重ね、1時間27分で試合を締めくくった。

2月初旬に母国で開かれた「オープン13プロバンス」(フランス・マルセイユ/ATP250)で今季初優勝を飾っていたアンベールはこれがツアー6勝目。ちなみにフランス人男子選手のドバイ大会制覇は1999年大会のジェローム・ゴルマール(元22位/現50歳)と02年大会のファブリス・サントロ(元17位/51歳)に次ぐ史上3人目の快挙だ。
21年6月の「ノベンティ・オープン」(現テラ・ウォルトマン・オープン/ドイツ・ハーレ/芝)以来約2年9カ月ぶりにATP500でのタイトルを獲得した25歳の若武者は、試合後のインタビューでツアー決勝での連勝を6に伸ばしたことを踏まえつつ、次のように喜びを表現した。

「1週間を通して素晴らしいレベルでプレーできた。ただ今日の試合は本当に簡単ではなかった。本当に(なぜかは)わからないが、僕はツアー決勝に関しての良いデータを持っている。僕の周りには本当に素晴らしいチームがいる」

続けてアンベールは対戦相手のブブリクを称える形で「彼と対戦するのは簡単ではない」とコメント。その上で「彼には僕を崩すチャンスが何度かあったが、僕は終始本当に落ち着いていて、自分が何をしなければならないかを正確に理解していた」と満足気に決勝戦の内容を振り返った。

なお今回の優勝によりアンベールは大会後に更新される世界ランキングでキャリアハイの14位に浮上することが確定。一方惜しくも今季2勝目を逃したブブリクも自身初のトップ20入りを果たすことが決まった。

文●中村光佑

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