自動運転の未来は近い!? 日産自動車が自動運転モビリティサービスの事業化に向けた取り組みを発表

日産自動車は2024年2月28日、日本国内において自社開発のドライバーレス自動運転によるモビリティサービスの事業化に向けたロードマップを発表した。

地域社会が抱える交通サービスの課題解決に貢献

日産の自動運転と言えば、最新の運転支援システム「プロパイロット2.0」を実用化しており、国産車では初めて「手放し運転」を可能にするなど、早くから積極的に取り組んできたイメージがある。

横浜市内で行われている実証実験。実験車両には日産の電気自動車「リーフ」が使われている。

日産はこうした先進の自動運転技術を利用しながら、少子高齢化に伴う公共交通のドライバー不足や、地域社会が抱える交通サービスの課題解決に貢献し、誰もが自由に移動できる新しい交通サービスを提供することを目指している。

そのため同社は、国内外でモビリティサービスのビジネスモデルを構築するためのさまざまな実証実験を行っている。

横浜みなとみらい地区においては、2017年より自動運転モビリティサービスの実証実験を行い、福島県浪江町においては、2021年より有人運転モビリティサービス(サービス名称:なみえスマートモビリティ)を運行している。

また、英国においては、英国政府の支援のもと、ロンドン市街などで自動運転プロジェクトを実施している。

実験車両には10個のレーダーと14個のカメラを搭載している。
フロントとサイドを監視するカメラとセンサーがバンパー内に配置される。
当然リアにもセンサーとカメラを多数配置。

市町村において、車両数十台規模でのサービス提供開始

日産はこうしたプロジェクトで積み重ねた知見をもとに、2027年度より自治体や交通事業者を含む関係各所と協議の上、自動運転によるモビリティサービスの提供を目指す。

その実現に向け、2024年度より横浜みなとみらい地区にて走行実証実験を開始し、2025年度以降は実験を行う地域や規模を拡大していく。

非常に複雑な一般交通の中で最高の安全を確保するべく、実証実験を繰り返して自動運転のレベルアップを目指す。

これらの実験では、将来のドライバーレスでのサービス提供を目指して自動運転レベルを段階的に引き上げながら、ユーザーの受容性を確認していく。

具体的な取り組み計画は以下の通り。

●2024年度

横浜みなとみらい地区にて、「セレナ」をベースとした自動運転車両での走行実証実験を実施

●2025年度

横浜みなとみらい地区、桜木町、関内を含む横浜エリアにおいて、20台規模のサービス実証実験を実施(セーフティドライバー同乗)

●2027年度

地方を含む3から4の市町村において、車両数十台規模でのサービス提供開始を目指す。現在、サービスの開始に向けて複数の自治体と協議しており、準備の完了した市町村から事業の開始を目指す

なお、本取り組みは、経済産業省、国土交通省をはじめとした中央省庁と密に連携しながら推進していく。また、経済産業省と国土交通省が主催する『レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ』において、新たな自動運転移動サービスの実現に向けた取り組みを促進していくという。

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