パリ五輪の男子代表3枠目は大迫傑! 西山雄介が日本人トップも設定タイム突破ならず【東京マラソン】

熾烈な代表争いが決着した。

3月3日、パリ五輪の男子マラソンの代表切符を懸けた東京マラソン(東京都庁前~東京駅前)が開催され、男子は2022年世界選手権代表の西山雄介(トヨタ自動車)が2時間6分31秒で駆け抜け、日本人最上位(9位)でフィニッシュ。設定タイムの突破者はおらず、昨年のマラソングランドチャピオンシップ(MGC)3位だった大迫傑(Nike)がパリ五輪の代表3枠目に入った。

今大会はパリ五輪の代表選考会MGCのファイナルチャレンジであり、日本陸連が設置した「2時間5分50秒」をクリアした最上位がパリ五輪の代表切符を獲得。男子は昨年10月のMGC1位の小山直城(Honda)と、同2位の赤﨑暁(九電工)が既に決定しており、代表は残り1枠。東京マラソンで設定タイムを切る選手がいなければ、MGC3位だった大迫が代表に内定となるため、今回が正真正銘のラストチャンスだった。

レースは世界記録よりも17秒早いハイペースで17キロ付近にはペースメーカーがひとり離脱する異例な展開になる。さらに前世界記録保持者(2時間1分9秒)で、五輪2連覇のエリウド・キプチョゲ(ケニア)が20キロ手前で遅れるなど波乱のペースで進む。

27キロ付近には日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)が先頭集団から3秒遅れ、西山がトップに浮上。ペースメーカーが離脱した30キロ過ぎには日本勢集団から西山が抜け出し、其田健也(JR東日本)と浦野雄平(富士通)も設定記録より早いペースで続く。
日本人トップで東京駅に帰ってきた西山は苦しそうな表情でゴールテープを切る。設定時間を上回ることができず、直後は手で顔を覆い泣き崩れた。

なお、優勝はベンソン・キプルト(ケニア)で2時間2分16秒の大会記録だった。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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