中国北京市、AI産業の発展推進 関連企業は全国の4割

中国北京市、AI産業の発展推進 関連企業は全国の4割

2月29日、北京で開かれた第2回北京AI産業イノベーション発展大会。(北京=新華社配信)

 【新華社北京3月3日】中国北京市で2月29日に開かれた第2回北京人工知能(AI)産業イノベーション発展大会で、同市のAI関連企業の数が約2200社と全国の約4割を占めることが分かった。北京で発表された、または正式運用されている大規模言語モデル(LLM)は、いずれも全国の半数近くを占めた。

 AIは「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)の重要な原動力であり、国際科学技術革新センターの構築を進める北京は、AIの全産業チェーン配置で優位性が際立ち、成果も著しい。

 同市科学技術委員会などが2023年11月に発表した「北京市AI産業の大規模言語モデルイノベーション応用白書(2023年)」によると、北京はAI分野でイノベーションの基礎が最も優れ、人材資源が最も集中し、研究開発のイノベーション能力が最も高く、製品のアップデートが最も活発な地域となっている。

 大規模言語モデルの発展に計算力は欠かせない。北京では23年に同市初の市場化されたAI計算センター「京西智谷」が正式に稼働。計算力を求める企業に「恵みの雨」を届けている。

 門頭溝区の呂晨飛(りょ・しんひ)共産党委員会副書記・区長は「北京市は現在、AIの発展チャンスをつかみ、次世代の国家AIイノベーション発展実験区と国家AIイノベーション応用先行区を高いレベルで建設し、世界的影響力を持つAIイノベーション発信地の構築を加速している」と述べた。

 石景山区の北重科技文化産業パークでは春節(旧正月)明けに610ペタフロップス(1ペタフロップスは1秒間に1千兆回の演算)の計算能力を持つスマート計算センターが着工。海淀区は大規模言語モデルにさらなる「燃料」を投下し、1万ペタフロップス級の高性能計算力資源を集めている。かつては石炭産業で名をはせた門頭溝区はさらに目覚ましい成果を上げており、京西智谷第1期の100ペタフロップスの計算力が企業のイノベーション原動力を蓄積し、同市初のAIアルゴリズム専門人材政策が優秀な人材を集めている。

 北京は今後、より包摂的な計算力による「恵みの雨」でAI発展の沃土を潤す。四つのエクサフロップス(エクサは100京、1エクサフロップス=千ペタフロップス)スケールのスマート計算力拠点を構築し、27年までにAI計算力を3万6千ペタフロップス増やす。京西智谷は今年、千ペタフロップスの計算力を建設、稼働させ、中国北方地区におけるAIコンピューティングのハブを目指す。

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