次世代 Apple WatchにマイクロLEDディスプレイ搭載、当面は中止か。高コストのためとアナリスト分析

Image:Apple

アップルのスマートウォッチ最上位モデルApple Watch Ultraシリーズは、将来的に次世代ディスプレイ技術「マイクロLED」採用が噂されてきました。

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そんななか、アップルの未発表製品に詳しいアナリストが、「同社はマイクロLED搭載Apple Watchプロジェクトを中止した可能性が高い」と述べています。

今週初め、照明大手のOsramは「マイクロLED戦略を支える基幹プロジェクトが本日、予期せぬ形でキャンセルされ、マイクロLED戦略を再評価することになった」と発表しました。同社はアップルがサプライヤー・リストに掲載している企業です。

ディスプレイ関連サプライチェーン専門調査会社DSCCは、このプロジェクトがマイクロLEDを搭載した噂のApple Watchに関するものだと伝えました

さらに著名アナリストMing-Chi Kuo氏は、Xにて最新の調査に基づき次のように述べています

信頼性の高いディスプレイ専門アナリストRoss Young氏(DSCCのCEO)も、現時点ではマイクロLEDへの移行プロジェクトは中止されたとの考えをコメント

ただし「コスト、歩留まり、数量が条件を満たせば、将来的に別のサプライヤーから購入する可能性はある」と付け加え、復活もなくはないと示唆しています。

さらに台湾の調査会社Trendforceも、マイクロLED版Apple Watchの発売が大幅に不透明になったとのレポートを発表。そこではマイクロLEDパネルのコストが同サイズの有機ELパネルと比べて2.5~3倍も高くなっている可能性があること、まだ大量生産には難があることなど、背景にある事情を説明しています。

現行のApple Watchが搭載する有機EL画面と比べて、マイクロLED画面はより明るく色鮮やかとなり、斜めからでもよく見えるよう設計しているとの報道もありました

またマイクロLED化に伴い、画面サイズが現行の1.93インチから2インチ超に大型化すると複数の識者が予想していました。

「画面が現在よりも鮮やかで見やすくなる」という付加価値が、大幅なコスト増(おそらく製品価格の上昇も伴う)に見合わないとアップルが判断したのかもしれません。

要は、近い将来の次世代Apple Watch Ultraは画面が有機ELパネルのままの可能性が高まったと思われます。

Apple Watch Ultra 2の最大輝度は3000nit。前世代のUltra は2000nit。

もともとUltraモデルは通常モデルより価格が高いため、「直近の後継機が大幅値上げになる材料が減った」と言い換えれば、さほど悪いニュースでもないかもしれません。

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