【京町家での丁寧な暮らし】美濃羽まゆみさんにお宅をご紹介いただきました

手づくり暮らし研究家・美濃羽まゆみさん

今回紹介するのは、手づくり暮らし研究家の、美濃羽まゆみさんです。

洋服や雑貨をハンドメイドするだけでなく、お庭で食材を育てるなど、身の回りのものを手づくりしながら生活していらっしゃいます。

美濃羽さんが暮らしているのは、築100年になる京都の町家です。

日本の古い街並みに見られる町家ですが、当初、住むのを提案したのは、美濃羽さんのご主人でした。

ご主人は京都出身ではなかったものの、「京都だったら町家」というイメージや憧れがあり、家を探し始めたのがきっかけなんだとか。

実は、美濃羽さんは新築一戸建てが良かったそうですが、家を見て回るうちに、古いものの魅力や心地よさを実感し、町家暮らしを決めたのだそうです。

美濃羽さんのお家をルームツアー!京町家を堪能する暮らし

美濃羽さんが暮らしている町家を、ルームツアー形式で紹介していただきました。

まず最初に拝見したのは、アトリエなどがあるお家の玄関です。

もともと一つのお部屋だったそうですが、さまざまな使い道を想定し、スペースを広くとっています。

壁にかかっているのは、日常で使う雑貨や道具たち。

有孔ボードという、小さな穴が等間隔に並んでいるいる板を壁面に打ち付けて使っているそうです。

棒と洋服づくりで余ったハギレを再利用して作ったハタキは、高い場所など手の届きにくい部分のお掃除に活躍してくれます。

続いて案内してくれたのは、住居スペースです。

入ってすぐある居間では、お客様をお迎えしたり、食事をとったりします。

暗くなりがちな町家ですが、天窓があるため、明かり取りの役割を担ってくれています。

吹き抜けが上まであり、開放的で気持ちの良い空間が広がっているのですが、冬はとても寒いのだそうです。

ルームツアー中に登場したのは、長男の慧(けい)くんです。

一緒に、家族みんなの洋服が入っているクローゼットを紹介してくれました。

実は、美濃羽さんご自身の着ている服は7割程が自作なのだそう。

「買うとなると色んな選択肢から選ばないといけないけど、自分で作ると好きな生地・色・素材で、自分に似合う丈感やボリュームで作れるため、かえって手間が省けるような気がしている」とお話してくださいました。

居間から続く場所にあらわれたのは、家族みんなで使っている黒板。

メモ書きにしたり、計算や落書きをしたりと、色々な目的で活用しているそうです。

次に案内してくれたのは台所。

リフォームした際に、新しく変えたシステムキッチンです。

美濃羽さんの日常の食事は、メインのお魚やお肉といくつかの副菜、そして土鍋で炊いたご飯が食卓に並びます。

キッチンには、晩御飯用のサバの味噌煮や、具だくさんの豚汁が。

添える柚子胡椒を、後程、庭の柚子で作ってくださるそうです。

キッチンにも、美濃羽さんのハンドメイド小物が。

ハギレで作った鍋つかみは、鍋敷きとしても使え、プレゼントとしても喜ばれるんだとか。

台所の横の、アトリエにつながる通路をすすむと、お庭に出ることができます。

茂っている山葡萄の木をよけながら入ると、そこにはたくさんの種類の植物が!

南高梅、柚子、ミョウガにブルーベリーなど、日々の食材にできるものが栽培されていました。

この時、美濃羽さんが収穫していたのは、今年初めての収穫となる柚子。とっても良い香りがするそうです。

自宅で栽培した食材を使って柚子胡椒・ちりめん山椒づくり

まずは、ちりめん山椒をつくります。

山椒、酒、みりん、醤油、水を合わせて火にかけます。

美味しそうなちりめん山椒のできあがりです。

次に、お庭でとれた柚子と青唐辛子で、柚子胡椒を作ります。

まず、柚子の皮をおろして、青唐辛子の種を取り、みじん切りにします。

取った種を入れていたのは新聞紙でつくった袋。ここでも美濃羽さんの「手づくり暮らし」の工夫が光ります。

柚子の皮に青唐辛子、柚子の果汁、塩を加え、よく混ぜ合わせたら完成です。

先ほどつくっていたサバの味噌煮や豚汁、土鍋で炊いたご飯も一緒に食卓に並べたら、本日の食事のできあがりです。

自然の恵みをたっぷり味わえる晩御飯となりました。

アトリエを紹介!美濃羽さんが工夫していることとは

続いては、美濃羽さんが普段作業をしているアトリエを紹介してもらいました。

もともとは、6畳の和室だった部分と、押し入れ部分を解放して一部屋にしています。

たくさん積んであるのは、洋服や小物をハンドメイドする時に使用するハギレが入った箱です。

箱の中身を見せてもらいました。

さまざまな大きさや柄のハギレが、種類別に分けられています。

「小豆3粒包めたら布は捨ててはいけない」という昔の人の教えのように、小さいものでも役立てようという気持ちさえあれば役立てられる、という美濃羽さん。

細長いものはラッピングに使用したり、洋服をお届けするときのおまけに使用したり。

ご自身が開催している教室で小物づくりに使うこともあるそうです。

余った物も捨てることなく無駄なく使っていくという、美濃羽さんの想いを垣間見ることができました。

アトリエにあるのは、2台のミシンと、数々の道具たち。

全部片手で取れるように配置するなど、使いやすさを意識した工夫が随所になされています。

糸は蓋つきの入れ物ではなく、そのまま放り込めるようにしていると便利なんだとか。

作品に付けるタグを入れてあるのは、なんと冷蔵庫用の小物入れです。

大きい道具類は棚の側面のフックにひっかけておいたり、ハサミなどの道具はどこに行ったか分からなくならないよう、しまう場所を決めているのだそうです。

ふと目に入ってきたのは、「まま」という文字と可愛らしいイラストが描かれたカード。

お子さんが幼い時に書いてくれた手紙や写真などと一緒に、ライトに張り付けてあります。

「疲れた時に眺めると癒される」と、とびきりの笑顔で教えてくれた美濃羽さんでした。

美濃羽さんの「暮らしのテーマ」は?町家暮らしの良さとは

最後に、美濃羽さんの「暮らしのテーマ」を伺いました。

それはずばり、「無いことを楽しむ」こと!

無いものだらけの町家暮らしのなかで、無いからこそ工夫したり、あるものでやってみたり、お互いへの気遣いが生まれていくと感じたのだそうです。

町家で暮らしたからこそ、「無いことって結構豊かだな」と気付かされた、と穏やかにお話してくださいました。

あるものを大切にして、工夫をしながら、ご自身にとって居心地の良い空間や物をつくっている美濃羽さん。

落ち着きの中にも、リラックスできるような心地よさを感じた、京町家での暮らしをご紹介しました。

手づくり暮らし研究家・美濃羽まゆみさんの情報

手づくりに興味のある方は、ぜひのぞいてみてくださいね。

手づくり暮らし研究家『美濃羽 まゆみ』

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Instagram:https://www.instagram.com/minowa_mayumi/

公式ブログ:https://fukohm.exblog.jp/

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