被災地の復興願い護摩木たき上げ 西大寺観音院、会陽締めくくり

能登半島地震の被災地復興などを願った大柴燈護摩

 岡山市東区西大寺中の西大寺観音院で3日、伝統の裸祭り「西大寺会陽」の行事を締めくくる「大柴燈(さいとう)護摩」が営まれ、参拝者約1500人がたき上げられる護摩木に能登半島地震の被災地復興などを願った。

 境内中央に丸太で高さ約2メートルの護摩壇を組み、山伏が東西南北や鬼門の方向に魔よけの矢を放った後、たいまつで点火。読経が響く中、市民らから寄せられた護摩木約300本が次々と投げ込まれた。

 参拝者は勢いよく燃える炎に向け、静かに手を合わせた。1995年の阪神大震災で被災し、岡山市中区に移住した男性(70)は「被災した能登半島の人たちは今も不安を感じているはず。一日も早く日常が戻るようにと祈った」と話した。

 室町時代の1510年に始まったと伝わる会陽は2月、新型コロナウイルス禍で見送られてきた宝木(しんぎ)争奪戦が4年ぶりに復活。締め込み姿の約9千人(主催者発表)が福を求め肉弾戦を繰り広げた。

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