大山の雪崩遭難事故 天候不良で不明の2人の捜索難航 巻き込まれた3人は福岡在住

白くかすむ大山の山頂付近=2日午後

 鳥取県大山町の国定公園・大山で発生した雪崩に伴う遭難事故で琴浦大山署は3日、巻き込まれた3人はいずれも福岡市博多区在住の男性で、雪の状態が悪く山腹で予定していたロープ訓練を中断し下山中だったと発表した。同署は早朝から行方が分からない2人の捜索に当たったが、天候不良のため打ち切り、見つからなかった。4日は天候を見極めて捜索を再開する。

 同署によると、3人のうち、前日救助された自営業の男性(72)は、左肩脱臼、左半身打撲のけが。発見されていない2人は、会社員の男性(55)と会社役員の男性(52)。

 3人はグループで登山届を提出し、2日午前8時半ごろから登山。通常の登山ルートの夏山登山道から東に外れた「8合尾根」を訓練場所にしていたが、雪崩の発生時は下山するため大山北壁を横断中だった。

 3日の捜索は、新たな雪崩を誘発する可能性があるため前日に続きヘリコプターは使わず、雪崩があったとみられる付近の元谷避難小屋(標高1030メートル)を拠点に、署員7人が目視で実施。天候回復が見込めず、午後1時前に打ち切った。

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