善徳寺拠点に被災地支援 名城大生、氷見で長期の活動 自炊で安く、交通の便よく

宿泊の準備を進める樋口課長(右から2人目)と学生=南砺市の城端別院善徳寺

  ●南砺出身の職員が仲介

 名古屋市の名城大ボランティア協議会の学生たちが、2月から南砺市の城端別院善徳寺に宿泊し、能登半島地震で被害を受けた氷見市の復旧活動に取り組んでいる。同寺は比較的安く宿泊でき、庫裏で自炊できる上、東海北陸自動車道とのアクセスも良いことから、長期活動の拠点に選んだ。3月は2~15日に滞在。3日は学生ら5人が液状化で道路にあふれた土砂の除去作業などに汗を流した。

 名城大と氷見市は包括連携協定を結んでおり、同協議会は地震の発災を受け、現地での支援活動を実施することにした。

 同協議会は学生主体で運営されており、2004年度から環境、地域安全、災害復興、福祉、地域連携の5部門で活動。これまで新潟県中越地震(04年)東日本大震災(11年)熊本地震(16年)など被災地での活動実績もある。

 協議会の設立に関わった南砺市城端地域出身の樋口義博名城大学務センター課長(45)の縁で、学生は昨年5月に善徳寺で宿泊し、城端曳山祭を手伝ったほか、同8月には南砺市の豪雨災害現場を視察、10月のイベントにも参加してきた。

 今年1月に樋口課長と学生が氷見市を下見し、第1期の活動として2月14日から1週間、7人が被災した住宅の片付けや液状化で住宅内にあふれた土砂の除去、災害ごみの処分を手伝った。今月の第2期は2グループが前後半に分かれて約2週間、支援に当たる。

 協議会長で2年の小林暖弥(はるや)さん(20)は「2月の活動で住民と会話をする大切さを知った。地元の信頼を得て、長く活動を続けたい」と意欲を語った。小学1年時に仙台市で東日本大震災を経験した2年の瀧田乃映(のえ)さん(20)は「被災者の気持ちが分かるので寄り添えたらいい」と話した。

 南砺市と名城大は5日に連携協定を結ぶ。

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