凜/沼田土建企画室長・吉田美由紀さん、地域から建設DX普及・推進

全国建設業協会(全建)の2023年度「技術研究発表会」で、最優秀賞(高度技術部門)に選ばれた。群馬県内の災害復旧現場に構築した大容量通信環境と現場の常時確認システム、AI利用の二次災害回避などついて、革新的技術の活用事例として発表した。
生産性や安全性の向上につながると見て、社内で建設DXの推進役を担っている。発表内容は内閣府の官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)の推進費を活用した取り組みでもある。発表には「社内外へのアピール」という思いを込め、「誰が見ても分かりやすい資料」の作成を意識したという。
「この現場で終わらせたくない。大勢の目に留まって、技術の深掘りにつながってほしい」。受賞を機に地域建設会社ならではの革新的技術の導入と活用、建設DXの普及に一段と力を入れる考え。「担当者が『こうなったらいい』と思っていることはたくさんある」。現場のニーズを集め、「高度な技術に地方からチャレンジしていこう」と同僚に働き掛けていく。
建設関係団体の講演で「圧倒的に女性が少ない建設業だからこそ女性の力が必要」と指摘したことがある。ICTの内製化や革新的技術の導入は、女性の活躍の場をさらに広げることにもなる。「身近な話題から共感してもらえる問題提起が大事」。会社と地域建設業の先を見ながら仕事にまい進する。
(よしだ・みゆき)

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